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クリニックブログ blog

糖尿病

糖尿病は「糖質オフだけでOK」なの?

「糖尿病と言われたら糖質を減らせばいいんですよね?」外来や特定保健指導でも、こんな質問をよくいただきます。
結論は・・・・
糖質だけオフすればOK.ではありません。


糖尿病の食事療法は、
糖質・脂質・たんぱく質・食物繊維・食事のタイミング・体重管理など、さまざまな要素が関わる“総合バランス”で決まります。

1.糖質制限は「一つの手段」にすぎない理由

たしかに糖質は血糖値を上げやすい栄養素です。しかし、糖質だけに注目して他がゆるむと、逆に悪化することもあります。

〇糖質を極端に減らすと・・・
・筋肉が落ちる→インスリン抵抗性が悪化→血糖値が上がりやすくなる。
・空腹感が強くなり、暴飲暴食の原因に

〇糖質ゼロでも脂質が多いと・・・
・LDLコレステロールや中性脂肪が上昇
・動脈硬化リスクが高まる

そのため日本糖尿病学会でも、「極端な糖質制限」は推奨されていません。

2.糖尿病治療の基本は「全体のバランス」

1.適正エネルギー(カロリー)
2.三大栄養素のバランス(糖質・脂質・たんぱく質)
3.食物繊維をしっかり摂る(野菜・海藻・きのこ)
4.食事リズムを整える

特に、毎食にたんぱく質+野菜が入る“定食スタイル”は、血糖値も満足感も安定しやすくおすすめです。

3.糖質だけオフしてもうまくいかない例

患者さんからよく聞くパターンを紹介します。

・ご飯を全く食べず、肉やチーズばかり
=脂質過多→体重増→血糖悪化

・朝食を抜く
=昼・夜の血糖値が乱れやすい

・野菜が不足
=食後血糖値が上昇

・糖質ゼロのお菓子ばかり
=脂質や添加物の過剰摂取につながり、腸内環境が悪化

糖質だけでなく、どの栄養をどれだけ食べるか全体の調整が必要です。

4.ちょうど良い糖質制限

「完全に抜かない・減らしすぎない」がコツです。

・ご飯は100g~150g(茶碗1/2~1杯程度)
・揚げ物に偏らず、魚・大豆・卵などの良質なタンパク質を摂取する
・毎食 野菜→たんぱく質→主食の順に食べる
・食物繊維(サラダよりも温野菜)を増やす

☆無理なく続けられる方法こそ、血糖改善に一番効果があります。

まとめ

・糖質オフだけでは糖尿病の改善には不十分
・バランス/量/タイミングの調整が大切
・定食スタイルで主食・主菜・副菜を揃える
・極端な糖質制限は筋肉減のリスクあり

糖尿病の食事は、“がまんの食事”ではなく、“整える食事”です。
無理なく、心地よく、長く続けられる方法を一緒に見つけていきましょう。

初台まちのクリニック 管理栄養士