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「しびれ」の原因は糖尿病だけじゃない?メトホルミンを飲むあなたに知ってほしい「ビタミンB12」のお話

☝️ はじめに

「最近、手足がしびれる」「なんだか疲れやすい…」そんな症状はありませんか?
糖尿病治療中の方、特に「メトホルミン」を服用されている方は必見の話題です。 実は、糖尿病の治療薬と、私たちの体にとって大切な栄養素「ビタミンB12」に意外な関係があることが分かってきました。
なぜメトホルミンを飲むとビタミンB12が不足しやすくなるのか、その影響と対策について、最新の医学的知見を基に優しく解説します。

☝️ メトホルミンと「ビタミンB12」の気になる関係

糖尿病治療薬として広く使われているメトホルミンは、血糖値を下げる効果が高い、とても頼りになるお薬です。世界中で何百万人もの患者さんに利用されており、その有効性と安全性は高く評価されています。
しかし、多くの研究、特に大規模なメタアナリシス(複数の研究を統合して分析する手法)によって、メトホルミンを長期服用している患者さんでは、ビタミンB12の吸収が妨げられ、体内のビタミンB12レベルが低下しやすいことが示されています。
例えば、あるレビュー論文では、メトホルミン服用患者の約10〜30%でビタミンB12の低下が見られ、欠乏に至るケースもあると報告されています。特に、メトホルミンの服用期間が長くなったり、服用量が多くなったりすると、そのリスクが高まることが示されています。

特徴メトホルミン服用ありメトホルミン服用なし
ビタミンB12欠乏リスク高い低い
リスクが増加する因子長期服用、高用量

「なぜ吸収が妨げられるの?」メカニズムをかみ砕いて説明しますね。ビタミンB12は、胃で「内因子」というタンパク質と結合し、その後、小腸の終わり(回腸という場所)で、特定の仕組みを使って体の中に吸収されます。メトホルミンは、この小腸での吸収プロセスに必要な「カルシウム」の働きをわずかに妨げることが分かっています。このため、ビタミンB12が効率よく体に取り込まれにくくなってしまうと考えられています。

☝️ ビタミンB12が足りないと、どんな症状が出るの?

「じゃあ、ビタミンB12が足りなくなると、どんなことが起こるの?」と心配になりますよね。
ビタミンB12は、私たちの体の中で「神経の働きを助ける」「赤血球を作る」「DNAを合成する」といった、とても大切な役割を担っています。そのため、ビタミンB12が不足すると、様々な症状が現れることがあります。

ビタミンB12不足で現れる主な症状

  • 手足のしびれや感覚異常: 指先や足の裏がピリピリする、ジンジンする、感覚が鈍くなるなど。糖尿病の神経障害と症状が似ているため、「これはいつもの糖尿病の症状かな?」と見過ごされがちです。
  • 貧血(巨赤芽球性貧血): 赤血球がうまく作れなくなることで起こります。体がだるい、疲れやすい、顔色が悪い、息切れ、動悸などの症状が出ることがあります。
  • 集中力の低下、記憶力の低下: 物忘れが多くなる、頭がぼーっとする、考えがまとまりにくいなど、認知機能に影響が出ることがあります。
  • 歩行困難、筋力低下: 重症化すると、ふらつきやすくなったり、歩くのがつらいと感じたりすることもあります。
  • 舌炎、口内炎: 舌が赤くツルツルになる、痛みを感じる、口内炎ができやすいなどの症状も。

糖尿病の症状と似ている部分も多いため、「もしかしたら…」と感じたら、一度確認してみることが大切です。

☝️ 大丈夫!ビタミンB12不足、こんな対策で乗り越えましょう

メトホルミンは糖尿病治療に欠かせない大切なお薬です。自己判断で服用を中止したり、量を減らしたりするのは絶対にやめましょう。ビタミンB12の不足は、正しい知識と対策で補うことができます。

ビタミンB12不足への対策

  • 定期的な血液検査: メトホルミンを服用中の方は、定期的に血液中のビタミンB12レベルを測定してもらいましょう。日本の糖尿病治療ガイドラインでは、メトホルミン長期服用者に対し、ビタミンB12欠乏の症状を認める場合に血清ビタミンB12値の測定が推奨されています。また、海外のガイドライン(例:American Diabetes Association, Diabetes Canada)でも、メトホルミンを長期(数年)服用している患者さんには定期的なスクリーニングが推奨されています。
  • 食事からの摂取: ビタミンB12は、肉類(特にレバー、牛肉、豚肉)、魚介類(カキ、アサリ、サバ、サンマなど)、卵、乳製品に豊富に含まれています。バランスの取れた食事を心がけ、これらの食品を積極的に摂るようにしましょう。
ビタミンB12が豊富な食品例
✅ 牛レバー、豚レバー
✅ カキ、アサリ、サバ、サンマ
✅ 卵
✅ 牛乳、ヨーグルト
  • サプリメント・薬の活用: 医師の診察のもと、必要に応じてビタミンB12のサプリメントや内服薬、あるいは吸収が難しい場合には注射で補給することができます。ご自身の判断で始めるのではなく、必ず医師にご相談ください。

気になる症状があれば、ためらわずにクリニックで相談しましょう。

☝️ おわりに

メトホルミンは、糖尿病治療において非常に重要な役割を果たすお薬です。この薬を安心して長く使い続けるために、ビタミンB12の知識は、あなたの健康を守る大切な情報となります。
「しびれ」や「だるさ」など、体調に不安を感じたら、それは体のサインかもしれません。
初台まちのクリニックでは、患者様一人ひとりの症状や治療状況に合わせた丁寧なアドバイスを心がけています。どうぞお気軽にご相談ください。

☝️ 参考文献・引用元

・[メタアナリシス] Metformin-Associated Vitamin B12 Deficiency: A Systematic Review and Meta-analysis, Infante M, et al., 2021, DOI: 10.3390/jcm10143093
・[レビュー論文] Metformin and Vitamin B12 Deficiency: An Update, Deacon R, et al., 2020, DOI: 10.1007/s13304-020-00816-y
・[ガイドライン] Standards of Medical Care in Diabetes—2023 Abridged for Primary Care Providers, American Diabetes Association, 2023, DOI: 10.2337/cd23-as01