
「健康診断でコレステロールが高いって言われたけど、特に症状もないし大丈夫かな?」
そう思っていませんか?
脂質異常症は、自覚症状がほとんどないまま進行し、ある日突然、心筋梗塞や脳梗塞といった恐ろしい病気を引き起こす「サイレントキラー」とも呼ばれる病気です。
しかし、ご安心ください。最新の医学研究とガイドラインによって、脂質異常症の診断と治療は日々進化しています。
今回は、初台まちのクリニックが、脂質異常症の最新情報から、あなたのコレステロール値を守るための具体的な方法まで、分かりやすくご紹介します。
☝️ 脂質異常症とは?見過ごせない「サイレントキラー」の正体
脂質異常症とは、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)のバランスが崩れた状態を指します。具体的には、以下のいずれかの状態がある場合に診断されます。
✅ LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高い:血管の壁に蓄積し、動脈硬化を進行させます。
✅ HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い:血管の壁にたまったコレステロールを回収する役割があり、低いと動脈硬化のリスクが高まります。
✅ 中性脂肪が高い:エネルギー源として重要ですが、高すぎると動脈硬化や膵炎の原因になります。
これらの異常が長期間続くと、血管の内側に脂質がたまってプラークが形成され、血管が硬く狭くなる「動脈硬化」が進行します。そして、最終的には心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気に繋がってしまうのです。
☝️ 最新ガイドラインから学ぶ!脂質異常症の診断と治療のポイント
最新の医学に基づいた日本の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」では、脂質異常症の診断基準と治療目標が明確に示されています。
☝️ 脂質異常症の診断基準
以下のいずれかに該当すると脂質異常症と診断されます。
| 項目 | 基準値 |
|---|---|
| LDLコレステロール | 140mg/dL 以上 |
| HDLコレステロール | 40mg/dL 未満 |
| 中性脂肪 | 150mg/dL 以上 |
| Non-HDLコレステロール | 170mg/dL 以上 |
特に注目したいのは、近年重視されている「Non-HDLコレステロール」です。これは総コレステロール値からHDLコレステロール値を引いたもので、LDLコレステロールだけでなく、動脈硬化を促進するすべての脂質を総合的に評価できるため、より正確なリスク評価に役立つとされています。
☝️ あなたのリスクは?年齢・性別・既往歴で変わる脂質管理目標
脂質異常症の治療目標は、一律ではありません。患者様お一人おひとりの年齢、性別、他の病気の有無(糖尿病、高血圧、慢性腎臓病など)、喫煙習慣の有無などによって、目標とするコレステロール値は異なります。これは、将来の心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクを総合的に評価し、そのリスクに応じた適切な目標値を設定することが重要だからです。
例えば、すでに冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症など)をお持ちの方や、家族性高コレステロール血症の方は、より厳格なLDLコレステロール値の管理が求められます。
ガイドラインでは、心血管疾患のリスクを「高リスク」「中等度リスク」「低リスク」に分類し、それぞれに応じたLDLコレステロールの管理目標値が設定されています。
| リスク分類 | LDLコレステロール目標値 |
|---|---|
| 高リスク | 100mg/dL 未満 |
| (冠動脈疾患、糖尿病など) | |
| 中等度リスク | 120mg/dL 未満 |
| (高血圧、喫煙など) | |
| 低リスク | 140mg/dL 未満 |
※Non-HDLコレステロールの目標値は、LDLコレステロール目標値に30mg/dLを加えた値となります。
ご自身の目標値がどのくらいなのかを知ることは、治療を成功させるための第一歩です。
☝️ 薬物療法だけじゃない!脂質異常症の「新しい治療戦略」
脂質異常症の治療の基本は、なんと言っても「生活習慣の改善」です。
✅ 食事療法:飽和脂肪酸やコレステロールの摂取を控え、食物繊維を多く摂る。
✅ 運動療法:有酸素運動を中心に、無理のない範囲で継続する。
✅ 禁煙:喫煙は動脈硬化を加速させる最大の要因の一つです。
✅ 節酒:過度な飲酒は中性脂肪の上昇につながります。
これらの生活習慣改善を数ヶ月続けても目標値に達しない場合や、リスクが高いと判断された場合には、薬物療法を開始します。
近年では、薬物療法も大きく進化しています。
☝️ 主な薬物療法
- スタチン製剤:肝臓でのコレステロール合成を強力に抑え、LDLコレステロール値を大幅に低下させます。脂質異常症治療の第一選択薬です。
- 小腸コレステロール吸収阻害薬(エゼチミブなど):小腸からのコレステロール吸収を抑えることで、LDLコレステロール値を低下させます。スタチンとの併用でさらに効果を高めることができます。
- PCSK9阻害薬:比較的新しい注射薬で、LDLコレステロールを体外へ排出する「LDL受容体」の分解を抑えることで、LDLコレステロール値を非常に強力に低下させます。
- 大規模臨床試験(FOURIER試験など)では、PCSK9阻害薬を使用することで、LDLコレステロール値がプラセボと比較して約59%も低下し、心血管イベント(心筋梗塞や脳梗塞など)のリスクも約15%減少することが示されています。特に、スタチン治療で十分な効果が得られない方や、遺伝性の家族性高コレステロール血症の方に有効な選択肢です。
これらの新しい治療選択肢は、患者様一人ひとりの状態やリスクに合わせて、テーラーメイドの治療を可能にしています。
☝️ 初台まちのクリニックでできること
初台まちのクリニックでは、脂質異常症の患者様に対し、最新のガイドラインに基づいた適切な診断と治療を提供しています。
✅ 精密な検査:血液検査でLDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、そしてNon-HDLコレステロール値を正確に測定し、現在の状態を把握します。
✅ 詳細なリスク評価:問診や他の検査結果も踏まえ、あなたの心血管疾患発症リスクを総合的に評価し、目標値を設定します。
✅ 個別化された治療計画:生活習慣の改善指導を徹底するとともに、必要に応じて最新の薬物療法もご提案します。患者様のライフスタイルやご希望に合わせた、無理なく継続できる治療計画を一緒に考えます。
✅ 丁寧な説明とサポート:専門用語を避け、分かりやすい言葉で病気や治療についてご説明し、不安なく治療に専念できるようサポートいたします。
最後に
脂質異常症は、放置すると重篤な病気に繋がる可能性がある一方で、適切な管理によってリスクを大幅に減らすことができる病気です。
「コレステロール値が気になる」「健康診断で指摘されたけどどうしたらいいか分からない」という方は、ぜひ一度、初台まちのクリニックにご相談ください。あなたの健康な未来のために、私たちがお手伝いいたします。
☝️ 参考文献・引用元
・[ガイドライン] 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版, 日本動脈硬化学会, 2022, https://www.j-athero.org/jp/guideline/gl2022.html
・[RCT] Evolocumab and Clinical Outcomes in Patients with Cardiovascular Disease, Sabatine MS, Giugliano RP, Wiviott SD, et al., 2017, DOI: 10.1056/NEJMoa1615664
・[RCT] Alirocumab and Cardiovascular Outcomes after Acute Coronary Syndrome, Schwartz GG, Steg PG, Szarek M, et al., 2018, DOI: 10.1056/NEJMoa1803989