• 10月 3, 2023

高血糖による認知機能障害のリスク

日中でも少し寒いと感じるようになってきて、あっという間に今年も終わってしまうんだなと感じてなんとなく寂しくなってしまっています。去年もそうですが今年も色々なことに直面した1年でした(まだ早い今年の感想ですが)そろそろお祓いに行かないとと思いながらも時間なくて行けていません。。そして今回は☆最近ニュースでもアルツハイマー型認知症の新薬が話題になっていましたので、高血糖による認知機能障害のリスク。について書いてみました。

日本においては高齢化社会となってきている今、高齢者のかたの糖尿病の増加に伴って、認知症を伴った患者様が増加しています。

どれくらいのリスクかというと糖尿病患者さんは糖尿病がない人と比べてアルツハイマー型認知症は約1.5倍血管性認知症は約2倍なりやすいと言われています。軽度の認知機能障害(MCI)にも約1.5倍なりやすく、また軽度認知機能障害から認知症への移行も約2倍おこりやすくなってきます。

血糖値に関する、認知症発症の危険因子は4つあり、①未治療の糖尿病、②高血糖状態、③重症低血糖を繰り返している、④血糖変動が大きいこと、が挙げられます。これは、HbA1c(過去1-2ヶ月の血糖の平均値)が8.0%以上の高血糖状態でリスクが上がる一方で、HbA1cが良好な数値であっても、低血糖を繰り返してしまっているような場合にもリスクが同様に上がるということになります。(実際に、無自覚に低血糖を繰り返してしまっていた方が治療内容の変更で低血糖を起こさなくなり、認知機能にも改善がみられたということもあったりします)昔はHbA1cは低ければ低いほど合併症が予防できてよいとされていましたが、治療強化をしすぎてしまうと逆に重症低血糖が増えて死亡率が増えてしまったという研究報告がでて以来、ガイドラインが変わり、高齢者においては、年齢や認知機能障害の有無、治療内容によって目標値が変わってきます。

↑ 高齢者におけるHbA1cの目標値)

理想としては、血糖変動幅がなるべく大きくなく、低血糖にもなっていない状態の継続が理想的です。

高齢者においてはとくに、ビタミンB2やビタミンD不足、低栄養や、身体活動量低下もリスク因子としてあがってくるので、バランスの良い食事や、身体活動量を増やしていくことが予防と進行抑制に重要となってきます。運動の内容としては種類や時間に関わらず、認知機能全般を有意に改善させたという報告がありますので、短時間のウオーキングや、家の中でも足踏み運動などでも改善が期待できます☆。

もしも家族や自分自身が認知症かもしれない。。と思ったとき、不安も大きいと思いますが、まずはかかりつけ医に相談し、専門医の受診による診断、地域包括支援センターへの相談、場合によっては介護申請などが必要となってきます。様々な制度を利用し、患者さんとその家族ができるだけ前向きになっていけるようにサポートしていきたいと私自身も思っております。そして、地域によっては、患者さん同士の交流、認知症の家族をもつ者同士の交流などを行っている認知症カフェも増えてきています。(認知症でない高齢者のかたなども参加できるようです)

どこで行われているかはその地域の地域包括支援センターで聞いたり、ネットなどでも調べることができます!定期的にデイサービスとかに行くのは億劫だけど・・というかたなど活用してみても良いと思います。
初台まちのクリニック
富田恭子



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