• 10月 25, 2024

過活動膀胱と糖尿病との関連

寒くなってきて、もともとトイレの回数(頻尿)が気になっている方もより感じやすくなってきているかもしれませんが女性は特に50代以降に女性ホルモンの低下や骨盤底の弛緩が原因といわれる、過活動膀胱になりやすくなってきます。糖尿病との関連についても研究結果が出ており、過活動膀胱にかかっているひとは、糖尿病がある人や、HbA1c(血糖値の1-2か月平均値)が高いひとに多いという結果でした。

関連の背景として、全身性慢性炎症の関与を指摘する報告もありますが、大規模な疫学研究のデータはまだ不足しており、関連の機序の詳細も明らかにはなってないようです。これを背景として福建医科大学第二付属病院(中国)のQingliu He氏らの研究により、糖尿病や高血糖と過活動膀胱との有病率の関連、およびその関連に慢性炎症が及ぼす影響を検討されています。⇩

過活動膀胱症状スコアが調査に用いられており(スコアが3点以上の場合に過活動膀胱と定義)、解析対象:2万3,863人(平均年齢49.7±17.6歳、男性49.7%、BMI29.3±7.0)で、このうち4,894人(20.5%)が過活動膀胱と判定され、非過活動膀胱軍と比較して高齢で女性に多く、BMIが高値のひとに多いという有意差がありました。また、HbA1c、空腹時血糖値、インスリン値という糖代謝関連指標も、全て過活動膀胱群の方が高値という結果でした。
(年齢、性別、BMI、人種、教育歴、喫煙・飲酒習慣、座位時間、所得、高血圧・虚血性心疾患・心不全・脳卒中などを調整後)

過活動膀胱の症状として、尿意切迫感(突然我慢できないくらいトイレに行きたくなる)、頻尿などの症状がありますが、同じような症状をきたす疾患として膀胱炎、結石、子宮筋腫、薬剤性などの場合もありこのような原因疾患がある場合には治療により改善が期待できます。
頻尿症状は、体重を減らすこと、生活習慣の改善(頻尿となりやすいコーヒー、紅茶、柑橘類、ビタミンC、香辛料などを控える)によって改善する場合もあります。
過活動膀胱の症状がなかなか改善しない場合には専門的には泌尿器科で診断や治療をしてもらえますので相談してみましょう 。

初台まちのクリニック
富田恭子



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