• 11月 8, 2024

まとめて週末に運動も疾患予防に効果あり?

秋は食欲も増す時期で、運動するのにもいい時期ですよね。
ですが寒暖差も激しいので、朝方はとても寒かったりしますね。患者さんによっては仕事が忙しくてなかなか運動時間をとれなかったりする方もおられ、通勤で1駅分歩く、買い物で少し遠いところまで歩くようにしてみる、などの工夫を提案させてもらうこともありますが、週末だけお休みの日に運動をする方もおられるかと思います。糖尿病や生活習慣病をすでにお持ちの方はできれば2日に1回は運動をしていただくのがおすすめですが、様々な疾患予防目的で週末だけ運動をすることに関しては予防効果はどうか?という論文を抜粋しています。⇩

結果としては毎日短時間ずつ運動するのと、週末だけまとめて運動するのでは同等の疾患予防効果が期待できるという結果でした。

運動に関するガイドラインでは一般的に、中~高強度の運動を1週間に150分以上行うことが推奨されていますが、その運動を毎日20分ずつ程度に小分けして行うのと、数日にまとめて行うのとで、健康への影響力が異なるのかという点については、十分検討されていませんでした。

(⇩英国の大規模疫学研究「UKバイオバンク」のデータを用いた検討を行っています。)

2013年6月~2015年12月の間の1週間、加速度計(身体活動量を評価)を装着して生活してもらい運動習慣を把握し得た8万9,573人(平均年齢62±8歳、女性56%)を、加速度計の記録に基づき、毎日少しずつ運動している人(毎日運動群)、週末にまとめて運動をしている人(週末運動群)、および推奨される前記の運動量を満たしていない人(非運動群)という3群に分類し、交絡因子を調整後に、678種類の疾患や状態・症状について非運動群を基準として比較しています。

結果、毎日運動群は205種類のリスクが有意に低く(ハザード比〔HR〕の95%信頼区間の範囲が0.41~0.88)、週末運動群は264種類のリスクが有意に低いという結果でした(同0.35~0.89)。

 それぞれの疾患や状態のリスクを個別に見ると、高血圧(毎日運動群はHR0.72〔95%信頼区間0.68~0.77〕、週末運動群はHR0.77〔同0.73~0.80〕)、糖尿病(同順にHR0.54〔0.48~0.60〕、0.57〔0.51~0.62〕)、肥満(HR0.44〔0.40~0.50〕、0.55〔0.50~0.60〕)、睡眠時無呼吸(HR0.49〔0.39~0.62〕、0.57〔0.48~0.69〕)などで、運動スケジュールにかかわらずリスクの大幅な低下が認められたということです。

運動に関しては、患者様一人ひとりにあったもので、長く続けられるペースが良いですが、心疾患の既往などがある場合には運動制限もあったりするためすでに疾患を持っておられる方に関してはかかりつけ医に相談をしてから始めるようにしましょう☆

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富田恭子

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