- 12月 28, 2024
超加工食品と健康被害 映画「フード・インク2」より
先日、「フード インク2」という映画を地元の小映画館で観てきました。第82回アカデミー賞®ノミネート動員10万人の大ヒットを記録した「フード インク」に続く映画とのことで、今、注目されているドキュメンタリー映画です。食品業界や食品、健康、栄養などなど食に絡む様々な視点で描かれている映画ですが、その中で超加工食品の人体への影響について興味深い内容が映しだされていました。
超加工食品とは?
スナック菓子、清涼飲料水、インスタント食品、菓子パンなど何度も加工の工程を繰り返し、様々な添加物を加えて作られる食品のこと。いわゆるエンプティカロリー食品(カロリーがあっても栄養素がない食品)のことですね。
これらの食品は味が強く、食べてすぐに「おいしい」と感じられ、また、食べたくなってしまう中毒性があることが特徴です。
超加工食品はなぜ?食べ過ぎてしまうのか?
これらの食品は肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病や健康被害の原因となることは、みなさんご存知のことと思います。なぜ、身体にとって良くないと思っても食べ過ぎてしまうのでしょうか?砂糖、脂肪、塩が多く含まれ、脳がおいしいと感じる食べ物を食べると、脳はドーパミンを通じて幸福感を感じ、これを報酬と認識します。
日々、栄養相談をしていると「ストレスで過食になる」とお話される方が多いのですが、食べ物によりストレスから解放される快楽を求めるので、脳がよりおいしいと感じるものに依存しやすくなるのです。
持続可能な食生活とは?
映画の中では、超加工食品は私たちの体のホルモンの分泌や代謝を攪乱する作用があるという、米国の研究結果が紹介されていました。食べ物を食べたときに上がる血糖値を調整するためには、膵臓からインスリンが分泌され、血糖値を元に戻します。食欲を抑制するにはレプチンというホルモンのシグナルが脳に行き、食欲がストップします。こういった身体内の働きには、様々なホルモンが関わっていますが、それらの正常の働きが害されてしまうと、必要以上に食べ過ぎてしまうなど、弊害が生じるのです。
超加工食品を過度に摂取していると食欲の有無よりも習慣化していることがやめられない原因の一つとなるので、意志の力だけでは、コントロールが難しい場合がありますが、そういった食品を選ばないという行動を起こすことにより、超加工食品と距離を置くことができます。
私たちは口から食べ物を入れ、それらを使って、エネルギーを作り出し、日々の生活を営んでいます。身体にとって必要な栄養バランスが含まれた食品を適量取れば、体の代謝は正常に働きます。
超加工食品のへの依存から抜け出すには、食生活を改善しようという意志と食べ物を選ぶという行動が必要ですが、一歩踏み出すことで、食欲コントロールシステムの復旧につながり、体重を含めた検査数値の改善へとつながってゆきます。
私たちの身体は「毎日食べるもの、飲むもの」でできている。このことを時おり思い出し、日々食べているものやご自分の身体とむきあってみてください。
初台まちのクリニック 管理栄養士