• 2月 8, 2025

なぜ?太る?中年以降の過体重の原因

健康診断を終えた後、特定保健指導の受診勧奨の紙を受け取ることってありませんか?
内臓脂肪の蓄積および健診結果により生活習慣病の発症リスクが高いと判断された場合、特定保健指導の対象となります。

特定保健指導では内臓脂肪の蓄積を減らすために減量が提言されますが、なぜ、中年以降は体重が増加しやすいのでしょうか?

年齢を重ねると基礎代謝が落ちるから、太りやすくなったり、疲れやすくなった。という認識のお持ちの方もいらっしゃるのではないかと思います。

2021年、世界29か国の研究者によって発表された論文で「基礎代謝は20代から60代まで下がらない」ということが明らかになりました。つまり、代謝が落ちることが体重増加の原因とは言えないのです。

年を経ることで環境や食生活、生活スタイルなど様々な変化が訪れます。「夕食の食べ残しをもったいないので、食べてしまう」「1日中座り続けの仕事をしていて、ほとんど動いていない」など、毎日のちょっとした食習慣や運動不足の積み重ねが結果的に過体重に結びついてしまうのです。

代謝とは・・・

◆基礎代謝
じっとしていても消費されるエネルギー。1日のうちに消費するエネルギーの約60~70%を占める
◆活動代謝
体を動かして消費されるエネルギー。
◆食事誘発性熱産生
食事後の消化吸収の際に体熱が生み出されて消費されるエネルギー

人は口から食べた物からエネルギーを摂取し、そして、活動することで消費をします。この「エネルギーの摂取と消費のバランス」が崩れると体重増加につながります。

なかなか面倒なことであるのですが、ご自分が食べているものを写メってみたり、食べたものを記録する食事日記をつけるなど、3日以上、できれば1週間ぐらい客観的に自分の食べているものを振り返る期間を設けてみると自分の食習慣のパターンが見えてきます。

例えば、ちょっとつまむ間食の回数が多い、食事内容が糖質に偏りがち、夕食の後に間食があるなど、いろいろとご自分の食の課題が見えてきます。食事は習慣になっているので、頭でわかっていもて、食の選択や食事内容を変えることは以外と難しいのが現実ですが、できるところからで良いので、食生活の改善しようと一歩踏み出してみましょう。

少しずつ増えた体重は一気には落ちませんので、食生活のバランスを整えながら、1か月に-1㎏程度ずつ、落として、食習慣を変えることが長続きするダイエットの秘訣です。

2020年に発表された世界保健機関(WHO)ガイドラインでは、「座りっぱなし」を健康に害する要因として指摘しています。座り続けると下半身の筋肉が動かないため、血流が悪くなります。筋肉や脂質代謝が落ち、中性脂肪の増加や善玉コレステロールの減少の要因となってしまいます。さらに高血圧、糖尿病、骨粗しょう症など生活習慣病を悪化させる原因ともなります。

座りっぱなしを避けるには、少なくとも1時間に5分程度は身体をこまめに動かすなど、意識してスタンディングタイムを設けることが大切です。
また、日常生活の中で歩くときは早歩きを意識する。階段を使う。こまめに動くなど、後10分、身体を動かすことを意識しましょう。

初台まちのクリニック 管理栄養士

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