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アサイーは糖尿病に良い?研究から分かっている効果と注意点

最近、アサイーボウルなどで人気の「アサイー」。

「抗酸化作用がある」
「血糖値にも良いらしい」
「スーパーフードだから糖尿病にも良いのでは?」

そんなイメージを持っている方もいるかもしれません。

では、糖尿病の方がアサイーを食べることで、本当に血糖値やHbA1cが改善するのでしょうか?

今回は、アサイーについて実際に人を対象として行われた研究を中心に、「分かっていること」と「まだ分かっていないこと」を整理して解説します。

☝️ アサイーってどんな食品?

アサイーは、ブラジルのアマゾン地域などで食べられてきたヤシ科の果実です。

アントシアニンをはじめとするポリフェノールや食物繊維、脂質などを含んでおり、その成分から酸化ストレスや炎症、糖・脂質代謝への影響が研究されています。

ここで大切なのは、

「抗酸化成分が含まれている」=「糖尿病が改善する」

ではないということです。

食品にどのような成分が含まれているかという話と、その食品を食べることで実際に病気が改善するかという話は、分けて考える必要があります。

では、実際に人がアサイーを摂取した研究を見てみましょう。

☝️ アサイーで血糖値が改善したという研究もある

2011年に、過体重の成人10人を対象とした小規模な研究が報告されています。

参加者はアサイーの果肉を1か月間摂取しました。

その結果、研究開始時と比較して、空腹時血糖値やインスリン値などの改善が認められました。

一見すると、

「やっぱりアサイーは糖尿病に良いのでは?」

と思う結果です。

しかし、この研究を解釈するうえでは重要な注意点があります。

参加者がわずか10人と非常に少なく、さらに「アサイーを摂取しない人」と比較する対照群がありませんでした。

つまり、

「アサイーを食べた人の数値が改善した」

ことは分かっても、

「アサイーを食べたから改善した」

とまでは、この研究だけでは判断できません。

また、LDLコレステロールについては低下傾向がみられたものの、統計学的な有意差には達していませんでした。

興味深い研究ではありますが、アサイーの糖尿病への効果を証明した研究ではないことには注意が必要です。

☝️ より厳密な臨床試験ではどうだった?

2018年には、メタボリックシンドロームのある成人37人を対象として、より厳密なランダム化二重盲検プラセボ対照試験が行われています。

参加者はアサイーを含む飲料またはプラセボ飲料を12週間摂取しました。

その結果、アサイーを摂取したグループでは、酸化ストレスや炎症に関連する一部の指標に改善が認められました。

一方で、

・血糖値
・インスリン
・コレステロールなどの脂質代謝

については、明らかな改善は確認されませんでした。

つまり、

「アサイーには体内の酸化ストレスや炎症に影響する可能性がある」

という興味深い結果はあるものの、

「アサイーを食べれば血糖値が下がる」

というところまでは、現在の研究では証明されていません。

☝️ 結局、アサイーは糖尿病に良いの?

現時点で最も正確な答えは、

「健康的な食生活の一部として取り入れることはできますが、糖尿病を改善する食品とまでは言えません」

となります。

アサイーには興味深い栄養成分が含まれていますが、人を対象とした臨床研究はまだ少なく、研究規模も小さいものが中心です。

特に、

・HbA1cを下げる
・糖尿病を予防する
・糖尿病の合併症を減らす

といった効果については、現時点では確立していません。

もちろん、糖尿病の治療薬の代わりになる食品でもありません。

今後、より多くの人を対象とした質の高い臨床試験が必要です。

☝️ 糖尿病の方は「アサイー」より「アサイーボウル」に注意

ここからは実際の食生活で重要なポイントです。

糖尿病や血糖値が気になる方の場合、アサイーそのもの以上に、

「アサイーを何と一緒に食べるか」

に注意する必要があります。

一般的なアサイーボウルには、

・アサイーピューレ
・バナナなどの果物
・グラノーラ
・はちみつ
・シロップ

などが組み合わされていることがあります。

さらに、商品によってはアサイーピューレ自体に砂糖が加えられている場合もあります。

そのため、「健康に良さそうだから」とたくさん食べると、組み合わせや量によっては糖質の多い食事になることがあります。

「アサイー=低糖質」とは限らない点には注意しましょう。

☝️ 血糖値が気になる方のアサイーボウルの選び方

アサイーを楽しみたい場合には、次のような工夫がおすすめです。

✅ 無糖のアサイーピューレを選ぶ

購入するときは原材料表示を確認して、砂糖やシロップが加えられていないものを選びましょう。

✅ はちみつ・シロップは控えめに

「天然のはちみつなら血糖値は上がらない」というわけではありません。

はちみつも糖質を含むため、量には注意が必要です。

✅ グラノーラを盛りすぎない

グラノーラは商品によって砂糖やシロップが多く使われています。

「健康食品」というイメージだけで判断せず、量や栄養成分表示を確認してみましょう。

✅ 果物の量にも注意する

果物はビタミン、ミネラル、食物繊維などを摂取できる食品ですが、糖質も含まれています。

アサイーボウルにバナナ、マンゴー、いちごなどを大量にトッピングすると、全体の糖質量も増えていきます。

✅ ナッツや無糖ヨーグルトなどを組み合わせる

アサイーだけでなく、無糖ヨーグルトやナッツなどを組み合わせ、食事全体のバランスを考えるのもよいでしょう。

☝️ 「スーパーフード」を探すより、食事全体を見ることが大切

糖尿病の食事について情報を調べていると、

「血糖値を下げる食べ物」
「糖尿病に良いスーパーフード」

といった情報を目にすることがあります。

しかし、糖尿病の食事療法で大切なのは、特定の食品だけをたくさん食べることではありません。

アサイーも、納豆も、ヨーグルトも、それだけで糖尿病を改善してくれる食品ではありません。

大切なのは、

・食事全体のエネルギー量
・糖質の量と質
・たんぱく質や脂質とのバランス
・野菜や食物繊維の摂取
・間食や甘い飲み物の頻度
・無理なく長期間続けられる食生活

など、食生活全体を見ることです。

アサイーが好きな方は、無糖のものを適量、健康的な食生活の一部として楽しむのはよいでしょう。

一方で、

「アサイーを食べているから糖尿病対策は大丈夫」

とは考えないことが大切です。

☝️ まとめ

アサイーと糖尿病について、現在分かっていることをまとめます。

✅ アサイーにはポリフェノールなどの成分が含まれている

✅ 小規模な研究では血糖・インスリンの改善を認めた報告がある

✅ 一方、プラセボ対照試験では糖・脂質代謝の明らかな改善は確認されていない

✅ HbA1c低下や糖尿病予防などの効果は確立していない

✅ 糖尿病の治療薬の代わりになる食品ではない

✅ アサイーボウルはトッピングや加糖によって糖質が多くなることがある

つまり、

「アサイーは糖尿病に効くスーパーフード」

と考えるのではなく、

「健康的な食生活の中に取り入れることができる食品のひとつ」

と考えるのが、現時点では適切でしょう。

初台まちのクリニックでは、血糖値やHbA1c、体重、普段の食生活などを確認しながら、一人ひとりに合った糖尿病治療や食事についてご相談いただけます。

「血糖値が高いと言われた」
「何を食べればよいか分からない」
「健康食品やサプリメントについて聞きたい」

といった方も、お気軽にご相談ください。

☝️ 参考文献

  1. Udani JK, et al. Effects of Acai (Euterpe oleracea Mart.) berry preparation on metabolic parameters in a healthy overweight population: a pilot study. Nutr J. 2011;10:45.
    DOI: 10.1186/1475-2891-10-45
  2. Kim H, et al. Açaí (Euterpe oleracea Mart.) beverage consumption improves biomarkers for inflammation but not glucose- or lipid-metabolism in individuals with metabolic syndrome in a randomized, double-blinded, placebo-controlled clinical trial. Food Funct. 2018;9:3097-3103.
    DOI: 10.1039/C8FO00595H

※本記事は医学・栄養学に関する情報提供を目的としたものであり、アサイーや特定の商品による糖尿病の治療・予防効果を示すものではありません。糖尿病治療中の方は、食品やサプリメントを理由に自己判断で治療を中止・変更せず、主治医にご相談ください。

院長 富田恭子

この記事の監修

富田 恭子初台まちのクリニック 院長/日本糖尿病学会 糖尿病専門医

経歴

  • 2008年 福岡大学医学部医学科 卒業
  • 鳥取大学医学部附属病院、山陰労災病院、上尾中央総合病院、総合健診センターヘルチェック 勤務

資格・所属学会

  • 日本糖尿病学会 糖尿病専門医
  • 日本内科学会 内科認定医
  • 日本医師会認定産業医/認知症サポート医
  • 抗加齢医学会 会員/日本フットケア・足病医学会 会員

糖尿病は初期に自覚症状が乏しく、放置すると合併症につながることがあります。糖尿病専門医として、将来の合併症を見据えながら「今できること」を一人ひとりと一緒に考え、継続して治療を進めます。

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