WEB予約
03-5333-2727
WEB予約

クリニックブログ blog

未分類

麻しん(はしか)は「昔の病気」ではありません|大人も確認したいワクチン接種歴

☝️ はじめに

「麻しん(はしか)」と聞くと、子どもの頃に流行した昔の病気というイメージを持つ方もいるかもしれません。

しかし、麻しんは現在も世界各地で発生しており、海外から日本へ持ち込まれることもあります。

そして麻しんで特に注意したいのが、その非常に強い感染力です。

麻しんは空気感染するため、手洗いやマスクだけでは十分に予防することができません。

一方で、ワクチンによって予防できる感染症でもあります。

今回は、

・麻しんはどんな病気なのか
・なぜ大人も注意が必要なのか
・ワクチンを何回受ければよいのか
・接種歴が分からない場合はどうするのか

について解説します。

☝️ 麻しんは非常に感染力の強い感染症です

麻しんは麻しんウイルスによって起こる感染症です。

感染経路には、

・空気感染
・飛沫感染
・接触感染

があります。

免疫を持っていない人が感染すると、非常に高い確率で発症するとされています。

潜伏期間を経たあと、

・発熱
・咳
・鼻水
・目の充血

など、最初は風邪のような症状が現れます。

その後、一度熱が下がったように見えてから再び高熱となり、全身に発疹が広がるのが典型的な経過です。

口の中に「コプリック斑」と呼ばれる白い斑点がみられることもあります。

☝️ 「発疹が出るだけの病気」ではありません

麻しんで怖いのは合併症です。

肺炎、中耳炎、脳炎などを起こすことがあり、重症化すると命に関わることもあります。

さらに非常にまれではありますが、麻しんから回復した数年後に「亜急性硬化性全脳炎(SSPE)」という進行性の重い神経疾患を発症することがあります。

麻しんには、ウイルスそのものに対する特別な治療薬はありません。

そのため「感染してから治す」よりも「感染する前に予防する」ことが非常に重要な感染症です。

☝️ 最も重要な予防方法はワクチンです

麻しんは空気感染するため、マスクや手洗いだけでは十分な予防ができません。

最も有効な予防方法はワクチン接種です。

麻しんワクチンでは、

1回の接種で約93~95%以上
2回の接種で約97~99%以上

の方が免疫を獲得すると報告されています。

現在、日本では麻しん・風しん混合ワクチン(MRワクチン)を、

第1期:1歳
第2期:小学校就学前の1年間

に接種する2回接種が定期接種となっています。

☝️ 大人も接種歴を確認してみましょう

「麻しんワクチンは子どもが受けるもの」と思われがちですが、大人でも確認が必要な場合があります。

特に、

・麻しん含有ワクチンを2回接種した記録がない
・接種歴が分からない
・麻しんにかかったことがあるか分からない
・海外渡航を予定している
・医療・教育・保育・介護など、多くの人と接する仕事をしている

といった方は、一度接種歴を確認してみましょう。

母子健康手帳などに記録が残っている場合は、「記憶」ではなく記録で確認することが重要です。

☝️ 1回しか接種していなかったら?

記録上、麻しん含有ワクチンを1回しか接種していない場合には、2回目の接種を検討できます。

必ずしも全員が事前に抗体検査を受けなければならないわけではありません。

記録上1回の接種歴がある場合には、

・抗体検査をせず2回目を接種する
・抗体検査を行い、免疫が不十分なら追加接種する

といった方法があります。

2回接種する場合は、少なくとも4週間以上の間隔をあけます。

どちらが適しているかは、接種歴や状況によって判断します。

☝️ 接種歴が分からない場合は?

「母子手帳がなくて、何回打ったか分からない」

という大人の方も少なくありません。

この場合も、

・これまでの接種記録
・麻しんにかかったことがあるか
・海外渡航など今後の感染リスク
・職業
・妊娠の可能性などワクチンを接種できない事情

を確認したうえで、抗体検査やワクチン接種を検討します。

接種歴が分からないからといって、自己判断で諦める必要はありません。

☝️ 妊娠中はMRワクチンを接種できません

MRワクチンは生ワクチンのため、妊娠中の方には接種できません。

また、女性はワクチン接種後2か月間、妊娠を避ける必要があります。

妊娠を予定している方は、妊娠前に母子手帳などで接種歴を確認しておくことをおすすめします。

妊娠中で接種できない場合には、同居する家族など周囲の方の免疫を確認することも重要です。

☝️ 海外渡航前にも確認を

海外では麻しんが流行している地域があります。

海外渡航を予定している方で、麻しんにかかったことがなく、2回のワクチン接種記録も確認できない場合は、渡航前に接種について相談しておくと安心です。

ワクチンを接種すると、通常は約2週間後から麻しんに対する抗体が出現します。

直前ではなく、余裕を持って確認しましょう。

☝️ 麻しんかも?と思ったら、直接来院しないでください

ここは非常に重要です。

発熱、咳、鼻水、目の充血、発疹などがあり、

「麻しん患者と接触した」
「麻しんが流行している地域へ行った」

など、麻しんの可能性が考えられる場合は、直接クリニックの待合室へ来院せず、まず医療機関へ電話でご連絡ください。

麻しんは空気感染するため、通常の待合室で待つことで、ほかの患者さんへ感染を広げてしまう可能性があります。

医療機関から指定された方法で受診してください。

☝️ まとめ

麻しんは「昔の病気」ではありません。

現在でも国内外で発生しており、免疫のない方が感染すると非常に高い確率で発症します。

そして重要なのは、

「自分は子どもの頃に打ったはず」

という記憶ではなく、

「2回接種した記録があるか」

を確認することです。

特に海外渡航を予定している方、医療・教育・保育・介護関係者、妊娠を希望している女性やそのご家族などは、一度確認してみることをおすすめします。

接種歴が分からない場合や、ワクチンを追加した方がよいか迷っている場合はご相談ください。

初台まちのクリニック
初台駅南口から徒歩1分

【参考資料】

・国立健康危機管理研究機構「麻しん(詳細版)」
・国立健康危機管理研究機構「予防接種スケジュール」
・厚生労働省「医療機関での麻疹対応ガイドライン」

※ワクチン接種の適否は、年齢、接種歴、既往歴、妊娠の有無、免疫状態などによって異なります。

院長 富田恭子

この記事の監修

富田 恭子初台まちのクリニック 院長/日本糖尿病学会 糖尿病専門医

経歴

  • 2008年 福岡大学医学部医学科 卒業
  • 鳥取大学医学部附属病院、山陰労災病院、上尾中央総合病院、総合健診センターヘルチェック 勤務

資格・所属学会

  • 日本糖尿病学会 糖尿病専門医
  • 日本内科学会 内科認定医
  • 日本医師会認定産業医/認知症サポート医
  • 抗加齢医学会 会員/日本フットケア・足病医学会 会員

糖尿病は初期に自覚症状が乏しく、放置すると合併症につながることがあります。糖尿病専門医として、将来の合併症を見据えながら「今できること」を一人ひとりと一緒に考え、継続して治療を進めます。

院長紹介をくわしく見る