こむら返りの原因は、水分やミネラルの不足、筋肉の疲れや冷え、加齢による筋力の低下が代表的で、多くは一時的なものです。ただし頻度が高い場合や、しびれ・むくみ・歩行時の痛みを伴う場合は、背景に病気が隠れていることがあります。
結論:夜中に足がつるこむら返りは、脱水・ミネラル不足・筋肉の疲労で起こることが多い一方、週に何度も繰り返す、日中にも起こる、ほかの症状を伴うときは一度受診して原因を確認することが役立ちます。
こむら返りの原因として多いもの(夜に足がつる理由)

こむら返りの原因として多いのは、体の水分とミネラルのバランスの乱れ、筋肉の疲労、そして冷えによる血流の低下です。夜間に多いのは、寝ている間に汗で水分が失われやすく、体温が下がって足の血流が落ち、さらに寝返りが少なく同じ姿勢が続くためと考えられています。
- 水分・ミネラルの不足:発汗、飲酒、下痢などでナトリウム・カリウム・マグネシウム・カルシウムのバランスが崩れる
- 筋肉の疲労:立ち仕事・長時間の歩行・慣れない運動のあと
- 冷えと血流の低下:冷房の効いた部屋での就寝、薄着での睡眠
- 加齢による筋肉量の低下:筋肉が減ると、わずかな刺激でも異常な収縮が起こりやすい
- 妊娠中:体重増加とミネラル需要の増加が重なる
- 薬の影響:利尿薬など、体内の水分やミネラルに影響する薬を服用している場合
心当たりが1つでもあれば、まず生活面の見直しから始めて差し支えありません。ただし複数が重なるほど繰り返しやすくなり、原因が生活習慣だけとは限らない場合もあります。
様子を見てよいこむら返りと、受診を検討したいこむら返り

様子を見てよいこむら返りと受診を検討したいこむら返りは、起こる頻度・思い当たるきっかけの有無・ほかの症状を伴うかの3点で整理できます。下の表を目安にしてみてください。
| 観点 | 様子を見てよい | 受診を検討したい |
|---|---|---|
| 頻度 | 月に数回程度 | 週に何度も繰り返す |
| きっかけ | 運動・長時間の歩行・発汗など心当たりがある | 思い当たる理由がない |
| 起こる時間 | 夜間や明け方だけ | 日中や安静時にも起こる |
| 場所 | ふくらはぎが中心 | 太もも・腹部・手など広い範囲に及ぶ |
| ほかの症状 | ほぼ伴わない | しびれ・むくみ・歩行時の痛み・脱力を伴う |
右側に当てはまる項目が増えるほど、自己判断で様子を見続けるより一度確認したほうが安心につながります。判断に迷うときは、この表をメモに書き写して受診時に見せると経過を伝えやすくなります。
背景に病気が隠れていることがあるサイン
繰り返すこむら返りの背景には、神経・血管・代謝・内分泌に関わる病気が隠れていることがあります。代表的なものは次のとおりです。
- 糖尿病による神経の障害:足先のしびれ・じんじんする感覚・感覚の鈍さを伴うことがある
- 下肢の動脈硬化:しばらく歩くとふくらはぎが痛み、休むと軽くなる(間欠性跛行)
- 腰の神経の圧迫(脊柱管狭窄症など):腰痛や足のしびれ、前かがみで楽になる姿勢の変化を伴う
- 甲状腺機能の低下:むくみ・寒がり・体重増加・だるさを伴うことがある
- 腎臓や肝臓の機能低下:ミネラルバランスの乱れから起こることがある
- 下肢静脈瘤:夕方の足の重さ、血管の浮き出しを伴うことがある
これらは血液検査や問診、足の診察である程度の見当をつけられることが多い一方、原因が一つとは限りません。足のしびれが気になる方は手足のしびれと糖尿病の関係や、しびれの原因が糖尿病以外にもあるという話もあわせて確認できます。ここに挙げた症状はあくまで一般的な傾向で、実際の診断には診察が必要です。
つったときの対処と、繰り返さないための予防
こむら返りが起きたときは、力を入れて耐えるのではなく、収縮している筋肉をゆっくり伸ばすことが基本です。ふくらはぎがつった場合は、次の手順で対応します。
- あわてず、痛む側の足を前に伸ばして座る
- つま先を手前(すね側)にゆっくり引き寄せ、ふくらはぎを伸ばす
- 痛みが引くまで20〜30秒ほど保ち、反動をつけて急に伸ばさない
- おさまったら、蒸しタオルや入浴で足を温めて血流を促す
- 水分と電解質を補い、その日は無理に運動を続けない
繰り返さないための予防としては、日中からの水分補給、寝る前のふくらはぎのストレッチ、就寝時に足を冷やさない工夫が挙げられます。汗をかく季節は水だけでなく塩分やミネラルの補給も意識したいところで、水分のとり方は水分摂取が足りているかの見直しや暑い時期のドリンクの選び方が参考になります。また、筋肉量の維持もこむら返りの起こりにくさに関わるため、糖尿病とサルコペニアの関係もあわせてご覧ください。効果の感じ方には個人差があり、これらを行えば必ず起こらなくなるというものではありません。
受診するときの準備と何科を選ぶか
繰り返すこむら返りで受診するときは、まず内科で相談し、症状の経過をメモして持参すると当日の相談がスムーズになります。準備の流れは次のとおりです。
- いつから・週に何回・どの部位がつるかをメモする
- 運動や発汗など、思い当たるきっかけの有無を書き出す
- しびれ・むくみ・歩行時の痛みなど、ほかの症状を書き添える
- 保険証、お薬手帳(服用中の薬・サプリメント)、健診結果があれば持参する
- 内科を受診し、必要に応じて血液検査などで原因を確認する
「足がつるだけで受診してよいのか」と迷う方は少なくありませんが、頻度と伴う症状を具体的に伝えられるほど原因の絞り込みに役立ちます。腰や神経、血管の病気が疑われる場合は、内科での確認をふまえて専門的な診療につなぐ流れが一般的です。
こむら返りのご相談について(当院からのご案内)
この記事は、東京都渋谷区初台で糖尿病内科・一般内科・肥満症外来を行う初台まちのクリニックがお届けする健康情報です(当院のご案内を含みます)。京王新線「初台駅」南口より徒歩1分。夜のこむら返りが続く方、健診で血糖や腎機能を指摘されている方、足のしびれやむくみが気になる方は、糖尿病専門医にお気軽にご相談ください。ご予約・お問い合わせは電話 03-5333-2727 まで。
よくある質問
こむら返りが続くとき、何科を受診すればよいですか?
原因がはっきりしないこむら返りは、まず内科で相談するのが一般的です。内科で問診と血液検査を行い、ミネラルバランスや血糖、腎機能、甲状腺の状態などを確認します。腰の神経や下肢の血管が原因と考えられる場合は、その結果をふまえて整形外科や血管の専門診療へつなぐ流れになります。
どのくらいの頻度なら受診したほうがよいですか?
週に何度も繰り返す場合は、一度受診して原因を確認する目安と考えてよいでしょう。月に数回で、運動や発汗など思い当たるきっかけがあるなら、まず水分・ミネラル補給とストレッチで様子を見て構いません。日中や安静時にも起こる、ふくらはぎ以外にも広がる場合は、頻度にかかわらず早めに相談してください。
市販の漢方薬(芍薬甘草湯)を使い続けても大丈夫ですか?
こむら返りに芍薬甘草湯が処方されることはありますが、自己判断での長期連用はおすすめできません。甘草を含む薬を続けると、血圧の上昇やむくみ、血液中のカリウム低下が起こることがあるためです。使う頻度が増えてきたら、薬でしのぐ前に原因を確認したほうが安心です。
予防のために、どんな飲み物をとればよいですか?
汗を多くかいた日は、水だけでなくナトリウムを含む飲料で電解質も一緒に補うのが基本です。日常的には、こまめな水分補給に加えて、豆類・海藻・乳製品・野菜などからミネラルをとる食事を意識してください。ただし持病や服用中の薬によって水分・塩分・カリウムの適量は変わるため、治療中の方は主治医に確認してから調整してください。
高齢の家族や妊娠中でも、対処法は同じですか?
つった筋肉をゆっくり伸ばす対処は共通ですが、背景の事情は異なります。高齢の方は筋肉量の低下と薬の影響が重なりやすく、妊娠中は体重増加とミネラル需要の増加が関わります。いずれも自己判断で市販薬やサプリメントを使う前に、かかりつけの医師に相談してください。