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「麻疹、まさか今さら?」いえ、侮れません!大人も子どもも守る大切な予防接種のお話

☝️ はじめに

「麻疹(はしか)」と聞くと、なんだか昔の病気だと思っていませんか?実は今、日本で麻疹が再び流行の兆しを見せており、大人も子どもも注意が必要な状況です。

最近ではニュースで「はしか感染の20歳代男性、2月21日に日本医科大付属病院で不特定多数と接触か…東京都が注意呼びかけ」とあるように身近な病気であることが分かります。

感染力の非常に強い麻疹は、単なる発疹の病気ではありません。時に命に関わるような重い合併症を引き起こすこともある、油断できない感染症です。

今回は、最新の知見をもとに麻疹の本当の怖さや、私たちにできる大切な予防策について、初台まちのクリニックが分かりやすくお話しします。

☝️ 知ってる?麻疹の本当の怖さ ~感染力と重い合併症~

麻疹は、数ある感染症の中でも特に「感染力が強い」ことで知られています。その感染力は、インフルエンザの約10倍ともいわれ、発症者1人から平均で12~18人に感染を広げる可能性があるとされています。空気中にウイルスが漂う「空気感染」もするため、同じ部屋にいるだけで感染してしまうほどです。

麻疹にかかると、次のような症状が現れます。
✅ 約10日間の潜伏期間の後、高熱(38度以上)、咳、鼻水、目の充血といった風邪のような症状が現れます。
✅ 発熱が数日続いた後、いったん熱が下がり、再び高熱とともに顔や体、手足に赤い発疹が出始めます。
✅ 口の中には「コプリック斑」と呼ばれる白い小さな斑点が現れることもあります。

そして、麻疹の本当の怖さは、その重い合併症にあります。
麻疹ウイルスは全身のさまざまな臓器に影響を及ぼし、次のような合併症を引き起こすことがあります。

  • 肺炎: 麻疹にかかった人の約5〜10%で発症するとされ、特に乳幼児や成人が感染した場合は重症化しやすく、命に関わることもあります。
  • 中耳炎: 約5〜9%の割合で見られ、耳の痛みや難聴を引き起こします。
  • 脳炎: 1,000人に1人程度の割合で発症するとされ、けいれんや意識障害を起こし、後遺症が残ったり、最悪の場合は死に至ることもあります。
  • 亜急性硬化性全脳炎(SSPE): 麻疹にかかった数年後に発症する特殊な脳炎で、約10万人に1人の割合で起こるとされています。一度発症すると進行性で、現在のところ有効な治療法がなく、最終的には死に至る非常に重篤な病気です。

特に成人が麻疹に感染すると、小児に比べて重症化しやすく、入院が必要になるケースが多いことが報告されています。ただの発疹の病気だと軽く考えず、その危険性を正しく理解することが大切です。

☝️ なぜ今、麻疹に注意が必要なの? ~再燃の背景とワクチンの力~

近年、日本を含む世界中で麻疹の再燃が問題となっています。その背景には、いくつかの要因が考えられます。

海外からの輸入感染: グローバル化が進み、海外との人の移動が活発になる中で、麻疹が流行している地域からのウイルス持ち込みが増えています。
ワクチン未接種者の増加: ワクチンへの不安や誤解、あるいは接種機会を逃したことなどから、残念ながらワクチンを接種していない方が存在します。
集団免疫の低下: 社会全体で十分な数の人が免疫を持っていないと、ウイルスが容易に広がり、流行につながってしまいます。

麻疹から私たちを守る最も有効な手段は、麻疹・風疹混合(MR)ワクチンの接種です。

MRワクチンは、一般的に2回の接種が推奨されており、これにより95%以上の高い確率で免疫を獲得できることが分かっています。この高い免疫獲得率こそが、麻疹の感染拡大を防ぐ鍵となります。

また、「集団免疫」という考え方も非常に重要です。これは、多くの人がワクチンを接種して免疫を持つことで、感染症にかかりやすい乳幼児や病気でワクチンを打てない方を守ることができる、という社会全体で感染症を防ぐ仕組みです。麻疹の場合、社会全体の接種率が95%程度を維持できれば、ウイルスの広がりを大きく抑えることができるとされています。

「子どもの頃に1回打ったから大丈夫」「大人になると免疫が切れるんでしょう?」といった誤解をされている方もいらっしゃるかもしれませんが、2回接種していれば、その効果は基本的に長期にわたって持続すると考えられています。ご自身の接種歴を確認し、適切な予防策を講じることが重要です。

☝️ 今すぐできる!あなたと大切な人を守るための3つの対策

麻疹の予防は、あなた自身だけでなく、大切な家族や友人、そして社会全体を守ることにつながります。今すぐできる対策を確認しましょう。

✅ 1. ご自身のワクチン接種歴の確認

まず、ご自身の麻疹のワクチン接種歴を確認しましょう。

  • 母子手帳: 小児期の接種記録が記載されています。
  • 予防接種手帳: お住まいの自治体から配布される手帳です。
  • 住民票記載事項証明書: 市区町村で発行してもらえる場合があります。
    記録が見当たらない、または不明な場合は、お気軽に当院にご相談ください。

✅ 2. 未接種・不明な場合のMRワクチン接種の検討

特に、次のような方はMRワクチンの追加接種を検討しましょう。

  • 20代~50代の大人の方: 特に「昭和37年4月2日~平成元年4月1日生まれ」の方は、定期接種が1回だったため、免疫が不十分な可能性があります。
  • 妊娠を希望する女性や、そのパートナー、家族: 妊娠中の女性が麻疹にかかると、流産や早産のリスクが高まります。
  • 医療機関や教育機関、介護施設などで働く方: 感染リスクが高く、また感染を広げる可能性があります。
  • 海外渡航を予定している方: 渡航先で麻疹が流行している可能性があり、予防接種が強く推奨されます。

ご自身の免疫状態が気になる場合は、抗体検査で確認することも可能です。お気軽にご相談ください。

✅ 3. 体調不良時の対応

もし、発熱や発疹、目の充血など、麻疹を疑う症状が出た場合は、いきなり医療機関を受診せず、必ず事前に電話で相談してください。
これは、麻疹の強い感染力によって、他の患者さんや医療スタッフへの院内感染を防ぐために非常に重要なことです。適切な受診方法について、医療機関からの指示に従いましょう。

☝️ おわりに

麻疹は、予防できる病気です。正しい知識と適切な行動で、あなた自身と大切な人々を、そして社会全体を麻疹の脅威から守ることができます。

ご自身のワクチン接種歴に不安がある方、麻疹についてもっと詳しく知りたい方、海外渡航を控えている方など、どんな些細なことでも構いません。どうぞお気軽に「初台まちのクリニック」にご相談ください。

地域の皆さまの健康を守るため、スタッフ一同、誠実に対応させていただきます。

☝️ 参考文献・引用元

・[観察研究] Resurgence of measles in Japan: A case study of a large hospital outbreak, Matsubayashi et al., 2020, DOI: 10.1007/s10096-020-03896-8
・[レビュー] Measles in adults: A review of the clinical presentation, complications, and management, Helfand et al., 2019, DOI: 10.1016/j.jinf.2019.06.012
・[レビュー] Global measles and rubella elimination efforts: a review of current strategies and challenges, Vynnycky et al., 2023, DOI: 10.1016/S1473-3099(23)00155-2
・[総説] 麻疹の感染力とワクチンによる予防, 国立感染症研究所, 2024年3月公開 (直接DOIなし、公的機関の一次情報として)
・[ガイドライン] 麻疹に関するQ&A, 厚生労働省 (直接DOIなし、公的機関の一次情報として)