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糖尿病 diabetes

糖尿病とは

糖尿病

糖尿病という病気の名前は耳にする機会も多いのではないでしょうか。この病気は膵臓から出ているインスリンの作用不足などにより血液中の糖(ブドウ糖)の濃度(血糖値)が慢性的に高くなっている、高血糖の状態を指します。

初期にはほとんど自覚症状がないため、健康診断などで指摘されても、放置してしまう方が少なくありません。しかし実は糖尿病は、高血糖の状態が続いていると、全身に様々な合併症を引き起こしてしまうため決して放置してはいけない病気です。

また、血糖値が改善したからといって治療を中断してしまうと、気づかないうちに合併症が進行してしまった・・というのもよくみられるケースです。

糖尿病と診断されたら、完治することはないので数値がよくなったとしても必ず定期的に受診をすることが重要となってきます。

症状としては、初期にはあまり症状が出ないことも多いですが、中等以上の高血糖が続いた場合、特徴のある症状が出ることがあります。

以下のような場合は、お早めにご受診ください

糖尿病の原因について

糖尿病には、“インスリン”というホルモンが関係

血糖値が高くなり、糖尿病を発症させてしまう原因には、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが深く関わっています。

食事によって摂取された栄養は、ブドウ糖などになって血管に流れ込みます。これが感知されると、インスリンが分泌されます。細胞の表面にはインスリンの受容体というものがあって、インスリンがこの受容体と結合することにより、血液中のブドウ糖は細胞に取り込まれ、エネルギー源として使えるようになります。

一方、余ったブドウ糖は蓄えられるように、グリコーゲンや中性脂肪に合成されるのですが、インスリンには、この合成を促進する働きもあります。

このため、もしインスリンの分泌量が少なかったり、インスリンの働きが低下していたりすると(これを「インスリン抵抗性」と言います)、糖が処理しきれずに血液中にあふれ、高血糖の状態となり、糖尿病が発症してしまうのです。

糖尿病のタイプについて

糖尿病には大きく2つのタイプがあります

糖尿病はインスリンに問題が生じることによって引き起こされる病気なのですが、その問題がどんなものなのかによって、大きく1型糖尿病と2型糖尿病に分けられます。1型は小児や若年層に多く、2型は40代以降に発症しやすく、遺伝的要因と生活習慣が関係していると考えられています。

1型糖尿病

1型はインスリンがほとんど分泌されない糖尿病です(全体の5%くらい)

1型は、インスリンを作る膵臓の「β細胞」という細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなることで発症する糖尿病です。糖尿病の中では非常に少なく、1割にも満たないものです。

細胞が破壊されてしまう原因としては、ウイルス感染などによる原因で本来、自分の身体を守る自己免疫が、自分の膵臓を敵とみなして攻撃してしまうことなどがあります。

1型糖尿病は急激に進行する場合があり、インスリンの分泌が極端に低下すると、血糖値が上がっても細胞や筋肉にエネルギーが供給されなくなって、とても危険な状態になってしまいます。劇症1型糖尿病といわれるものでは、症状を発症してから1週間以内に命に関わる状態になることもあります。

2型糖尿病

2型は生活習慣が深く関わる糖尿病です

糖尿病の患者数の9割以上が、この2型糖尿病です。遺伝的要因(家族に糖尿病の人がいる)に加えて、過食や運動不足、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣が大きく発症に関わっています。

とくに過食や運動不足による肥満、中でも内臓脂肪型肥満と呼ばれるものは糖尿病発症に関係していると考えられています。

糖分を摂り過ぎる、また運動不足で糖分をあまり消費しない、という状態になると、常に高血糖が続いてしまいます。すると当初は膵臓がそれに反応し、インスリンを分泌していたものが、「血糖値の高い状態が普通である」と判断してしまうようになり、インスリンの分泌量か低下してしまいます。

内臓脂肪型肥満では“インスリン抵抗性”が高まります

さらに内臓脂肪型肥満になると、「インスリン抵抗性」といって、肝臓や筋肉などの組織がインスリンの働きに対しての反応が鈍くなり、インスリンがある程度分泌されているのにもかかわらず、効きにくくなる傾向になると考えられています。

こうしたインスリンの分泌量の低下、インスリン抵抗性によってインスリンの作用不足が起こり、糖尿病が発症してしまうのですが、日本人は欧米人に比べてインスリンの分泌量が少ないと言われていて、肥満でなくとも糖尿病になるリスクがあります。ストレスや睡眠不足、過度の飲酒、喫煙などの生活習慣もインスリンの分泌に関係しており、「やせ型の糖尿病」を引き起こすこともあります。

糖尿病の合併症について

糖尿病は血管にダメージを与え、大小の血管を傷つけます

糖尿病では、様々な合併症が現れます。その原因となるのが血管へのダメージです。糖尿病で高血糖の状態が続くと、活性酸素の発生や、タンパク質の糖化が引き起こされ、それが血管の壁を障害し、炎症が発生しやすくなり、それがもととなって動脈硬化などになってしまいます。糖尿病ではキズも治りにくくなるため、さらに血管の障害が進行していきます。

こうした血管へのダメージは、大きな血管にも微細な血管にも起こります。それぞれ大血管症、細小血管症と呼ばれます。

大血管症について

動脈硬化が命に関わる疾患を引き起こします

動脈硬化による脳血管障害(脳梗塞、脳出血)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、さらには末梢動脈疾患、足病変などが引き起こされ、足が壊疽してしまい、切断しなければならなくなるといった危険もあります。

細小血管症について

とくに“糖尿病三大合併症”と呼ばれるものがあります
【糖尿病網膜症】

網膜の血管が障害されてしまうことで、治療しないでおくと出血が起き、視力低下や失明に至ってしまいます。糖尿病網膜症は日本人の失明原因の第2位で、自覚症状がないまま進行し、突然、目が見えなくなることもあります。糖尿病と診断されたら、まず眼底検査を受けるようにしましょう。

【糖尿病腎症】

腎臓を構成する糸球体の毛細血管に障害が生じ、糸球体の数が減少することで腎機能が低下してしまうものです。糖尿病腎症は日本人が透析治療となる原因の第1位で、慢性腎不全で人工透析を受けている人の3分の1は、糖尿病腎症が原因とされています。

【糖尿病神経障害】

高血糖による神経細胞の変化や、動脈硬化による神経への障害で様々な症状が現れるものです。自律神経障害から始まることが多く、たちくらみやこむら返り、異常な発汗、胃腸の不調、排尿障害、勃起障害などがみられます。

悪化すると末梢神経が障害され、手足の感覚が鈍くなる、しびれるといった症状が現れます。火傷やケガをしても痛みを感じず気づかないということもあり、最悪の場合、下肢切断や全身の感染症など命に関わる危険もあります。

このほかにも、認知症や肺炎、骨粗しょう症、歯周病なども糖尿病の合併症として現れることがあります。糖尿病と診断されたら、合併症の予防、治療も重要になります。

糖尿病の治療について

タイプによって治療法が異なります

糖尿病の治療は、1型か2型かによって異なります。そのため、自分が1型か2型か検査する必要があります。

1型糖尿病の治療

インスリン自己注射による治療が必要です

1型糖尿病の場合は、インスリンがほとんど分泌されなくなってしまっているため、内服薬などの効果はなく、人工的にインスリンを補う治療になります。インスリンの投与は自己注射によって行われ、治療と並行して厳密な食事管理なども必要となります。

2型糖尿病の治療

まず、生活習慣の改善が大切です

2型糖尿病では、過食や偏食、運動不足、飲酒、喫煙といった生活習慣が影響し、インスリンの分泌量低下やインスリン抵抗性により高血糖となっていますので、2型糖尿病の治療では、まず問題となる生活習慣を改善していくことが重要になります。

中心となるのは食習慣の改善で、食べ過ぎや飲み過ぎによる糖質の過剰摂取を控え、また夜遅くの食事は血糖値を上げやすいので、夜食や間食も極力控えるようにします。大切なのはバランスの取れた食事を規則正しく摂っていくことです。

乱れた食生活は内臓脂肪型肥満を引き起こし、インスリンの作用を低下させてしまいますが、逆に筋肉体質ではインスリンの作用が高まることが分かっています。そこで運動習慣を見直し、ウォーキングや軽い体操、筋肉トレーニングなどの運動を心がけるようにすることが重要です。

禁煙し、睡眠もしっかりとって、ストレスを溜めないように

このほか、喫煙習慣のある人は禁煙する、なるべくストレスを溜めないようにし、睡眠をしっかりととって規則正しい生活をする、ということも大切です。

当院では患者様ひとりひとりに合わせ、栄養相談など食事療法や、運動療法の指導をさせていただきます。別に持病のある方などでは、食事や運動に制限のある場合もありますので、医師やスタッフの指示に従って、行うようにしてください。

一人一人に合わせた薬による治療も行います

生活習慣の改善だけでは血糖値のコントロールができず、また合併症のリスクが高い、あるいはすでに発症しているという場合は、内服薬などの薬による治療を行います。薬としては、インスリンの分泌を促したり働きを高めたりするもの、糖の吸収を遅らせるもの、血液中の糖を尿として排泄させるものなどがあり、患者様の状態に合わせて使用していきます。

ただし2型糖尿病でも、生活習慣の改善や内服薬で効果が十分に上がらない場合、1型糖尿病と同様に、外からインスリンを補う、インスリン自己注射が必要になります。

栄養相談

管理栄養士が、患者様に応じてアドバイスします

当院には管理栄養士も在籍しています。糖尿病と診断され、食事療法が必要と言われたものの、仕事柄、どうしても食事が不規則になりやすい、自炊をしないから食事の何に気をつければよいかわからないという方もいるかと思います。

このような場合、管理栄養士がヒアリングをしながら、ライフスタイルに合わせた食事療法、効率的に栄養を摂るコツなど、各々の患者様に応じてアドバイスする栄養相談も行っていますので、ぜひご活用ください。

なお栄養相談は完全予約制となります。ご希望の方は、受付スタッフまでお問い合わせください。