WEB予約
03-5333-2727
WEB予約

クリニックブログ blog

糖尿病

HbA1cを下げる食事|置き換えと順番で整える

HbA1cを下げる食事の基本の考え方

HbA1cを下げる食事にするには、まず「一度に食べる糖質の量」と「血糖の上がり方」をゆるやかに整えることが基本です。日本糖尿病学会『糖尿病治療ガイド2024-2025』では、HbA1cは過去1〜2か月ほどの血糖の状態を反映する指標とされています。つまり、一食だけを頑張っても数値には表れにくく、毎日の食事を少しずつ整え続けることが結果につながりやすいということです。極端な制限は続きにくく反動も起きやすいので、無理のない範囲から始めるのが現実的です。

結論:HbA1cを下げるには、糖質のとり方・食べる順番・食べる量を少しずつ見直し、7〜8割続けられる形にすることが有効です。

  • 主食や甘い飲み物など、糖質が集中しやすいものから見直す
  • 野菜・海藻・きのこなど食物繊維の多いものを先に、しっかりとる
  • 体重が気になる方は、わずかな減量からでも血糖の改善が期待できる
  • 「ゼロか百か」ではなく、続けられる方法を選ぶ

なお同ガイドでは、HbA1cが6.5%以上であることが糖尿病型と判定される基準の一つとされ、治療中の方の合併症予防のための目標値は7.0%未満とされています(年齢や治療内容によって目標は個別に設定されます)。ご自身の数値がどのあたりに位置するのかはHbA1cの基準値の読み方|数値ごとの受診目安がわかるで確認できます。空腹時・食後の血糖値との関係を知りたい方は血糖値の正常値|空腹時・食後・HbA1cで見分けるもあわせてご覧ください。

食事を変えるとHbA1cはいつ・どのくらい下がる?

食事を見直した効果がHbA1cに表れるまでには、ある程度の時間がかかります。HbA1cは過去1〜2か月の血糖の状態を映す指標(日本糖尿病学会『糖尿病治療ガイド2024-2025』)ですから、1〜2週間で数値が動かなくても、それは「効いていない」という意味ではありません。多くの場合、次の受診(おおむね1〜2か月後)で振り返るのがちょうどよいタイミングです。

どのくらい下がるかは、もともとの数値、体重、食事の内容、服薬の有無によって大きく異なるため、「必ず何%下がる」と言えるものではありません。ただし体重の要素は無視できません。日本肥満学会『肥満症診療ガイドライン2022』では、肥満症の減量目標として現体重の3%以上の減少が示されており、わずかな減量でも代謝に関わる指標の改善が期待できるとされています。体重が気になる方は、食事の内容だけでなく「食べる総量が少しずつ減っているか」も一緒に見ていくと変化を追いやすくなります。

当院には院内にグリコヘモグロビン分析装置があり、HbA1cと血糖値の迅速検査を行っています。採血したその日のうちに数値を見ながら「前回からどう動いたか」「どの食習慣が効いていそうか」を一緒に確認できるため、食事の見直しを続ける手応えを持ちやすい形になっています。

何をどう置き換える?主食・おかず・飲み物の見直し方

主食・おかず・飲み物の置き換え例を左右で比較した図

HbA1cを下げる食事では、食べるものを「がまん」するより「置き換える」発想が続けやすく効果的です。同じように満足感を得ながら、糖質の量や血糖の上がり方をゆるやかにできる選択肢に切り替えていきます。特に見落とされがちなのが飲み物で、加糖飲料や砂糖入りのコーヒー、スポーツドリンクは、噛まずに飲めてしまう分だけ気づかないうちに糖質が積み上がります。

よくある選択 置き換えの例
白米を大盛り 玄米・雑穀米・もち麦入りごはんを普通盛りに、よく噛む
菓子パン・白い食パン 全粒粉パン、またはおにぎり+卵や豆乳などのたんぱく質
加糖飲料・砂糖入りコーヒー 水・お茶・無糖の飲み物
麺類だけの一品もの 麺+サラダや冷奴など、野菜とたんぱく質を足す
揚げ物中心のおかず 焼く・蒸す・煮る調理、魚や大豆製品を増やす
食後すぐの甘いデザート 果物や無糖ヨーグルトを少量、間食は時間を空ける

置き換えの主役になりやすいのが食物繊維です。白米にもち麦を混ぜる方法は、味や炊き方を大きく変えずに食物繊維を足せるので取り入れやすく、続け方はもち麦の効果|血糖・食物繊維と続け方がわかるで具体的に確認できます。間食や朝食の一品を整えたい方はヨーグルトの効果|量・タイミング・選び方がわかる、飲み物として甘いものを選びたい方は甘酒の効果と飲み方|血糖値が気になる人へが参考になります。野菜を増やしたいけれど手間が続かないという方は、冷凍野菜って栄養はあるの?おいしく上手に活用するコツのように、下処理のいらない食材を常備しておく方法が現実的です。

いきなり全部を変える必要はありません。まずは飲み物だけ、次に主食だけ、と一つずつ置き換えると、味の好みや生活リズムに合わせて無理なく定着させやすくなります。

食べる順番と食べ方の工夫でHbA1cを下げる

野菜から食べる食事の順番を示した手順フロー図

食べる順番を変えるだけでも、食後の血糖の急な上昇をゆるやかにしやすくなります。野菜や汁物などの食物繊維を先に、次におかず、最後にごはんという順番にすると、同じ献立でも血糖の上がり方が変わりやすいためです。早食いは血糖を上げやすいので、ゆっくりよく噛むことも合わせて意識します。

  1. 野菜・海藻・きのこ・汁物など食物繊維の多いものから食べる
  2. 肉・魚・卵・大豆製品などのおかず(たんぱく質)を食べる
  3. ごはんやパンなどの主食は後半に、量を意識して食べる
  4. 一口ごとに箸を置く感覚で、時間をかけて噛む

もう一つ知っておくと役立つのが「セカンドミール効果」という考え方です。前の食事の内容が、その次の食事の後の血糖の上がり方にも影響するという考え方で、たとえば朝食に食物繊維の多いものをとると、昼食後の血糖の上がり方がゆるやかになりやすいとされています。朝食を抜いて昼にまとめて食べると、その一食への負担が大きくなりがちです。「朝は食べる時間がない」という方こそ、汁物や無糖ヨーグルトなど、手をかけずに食べられるものを一つ決めておくと続けやすくなります。

朝・昼・夕・間食の組み立て方

置き換えと順番の考え方を、一日の流れに落とし込んでみます。難しい計算をしなくても、「主食・主菜・副菜がそろっているか」「まとめ食いになっていないか」の二つを見るだけで、多くの方は改善の余地が見つかります。

タイミング 整え方の目安 つまずきやすい点
主食に加えて、たんぱく質(卵・納豆・乳製品)と汁物や野菜を一品 菓子パンと甘い飲み物だけで済ませる
単品の麺・丼ものより定食型。麺や丼を選ぶ日は副菜を足す 早食いになり、満腹感が追いつかない
野菜・汁物から始め、主食は後半に。遅い時間なら主食を控えめに 帰宅が遅く、夕食が重くなる
間食 時間を決めてとる。夕食が遅い日は軽く挟んで食べ過ぎを防ぐ だらだら食べ、飲み物の糖質を数えていない

夕食が遅くなりがちな方は、無理に抜くよりも「夕方に軽く食べて、夜は主食を控えめにする」という分け方のほうが、空腹による食べ過ぎを避けやすくなります。仕事の都合で食事時間が不規則な方は、この分け方をどう組むかを個別に相談していただくのが近道です。

外食・コンビニ・お酒との付き合い方

「外食が多いから食事療法は無理」と感じている方は少なくありませんが、選び方の基準を決めておけば外でも整えられます。ポイントは、品数と調理法、そして締めの一品です。

場面 選ぶときの基準
定食屋・社員食堂 単品より定食。小鉢やサラダを追加し、ごはんは普通盛りにする
コンビニ おにぎりだけで済ませず、サラダ・味噌汁・ゆで卵などを組み合わせる
ラーメン・丼もの 頻度を決める。野菜トッピングを足し、スープや汁は残す
居酒屋 先に野菜・豆腐・刺身などを頼み、揚げ物と締めの主食を重ねない
お酒 甘いカクテルや加糖の割り材を避け、水を挟みながら量を決めておく

お酒の席が続いた週は、翌日から数日かけて軽めに戻す「1週間単位」の考え方にすると、罪悪感で挫折しにくくなります。なお、糖尿病の治療内容によっては飲酒で低血糖が起こることもあるため、薬を使っている方は主治医に飲み方を確認しておくと安心です。

無理なく続けるための習慣化のコツ

HbA1cを下げる食事を続けるには、意志の力に頼らず「仕組み」で習慣化することが有効です。人は疲れているときほど手軽なものを選びがちなので、続けやすい環境づくりが結果を左右します。完璧を目指して挫折するより、7〜8割を淡々と続けるほうがHbA1cの改善につながりやすくなります。

  • 買い物の段階で、家に置く飲み物や間食を無糖・低糖質のものに変えておく
  • 平日の定番メニューを2〜3パターン決めて、迷わない仕組みにする
  • 外食では「単品より定食」「野菜の一品を追加」を基本にする
  • 体重やHbA1cを記録し、下がった変化を見て手応えを確かめる
  • 食後に少し歩くなど、身体を動かす習慣を食事とセットにする
  • できなかった日を責めず、翌日から戻せばよいと割り切る

食事と一緒に見直したいのが活動量です。食後に軽く歩く、一駅分歩く、階段を使うといった小さな積み重ねは、食後の血糖の上がり方や体重の管理に関わってきます。ただし、膝や腰の状態、心臓や腎臓の持病によって適した運動量は変わりますので、治療中の方は主治医に確認しながら進めてください。

当院には管理栄養士が在籍し、院内の栄養相談室で栄養相談を行っています(完全予約制です。ご希望の方は受付スタッフにお申し出ください)。ふだんの食事内容をうかがったうえで、生活リズムに合う置き換えの順番を一緒に考えます。「何を食べてはいけないか」ではなく「どう組み合わせれば続くか」を整理したい方に向いた時間です。

やりがちな失敗と受診の目安

HbA1cを下げる食事でつまずきやすいのは、「主食を抜きすぎる」「おかずやお酒で結局エネルギーが増える」といった極端なやり方です。糖質を極端に減らすと反動で食べ過ぎたり、間食や飲み物の糖質を見落として血糖が上がったりしがちです。数値が思うように下がらないときは、自己流だけで抱え込まず、順番に見直していきましょう。

  • 主食を極端に抜き、間食やお酒で糖質・エネルギーが増えている
  • 「ヘルシー」と思っていた飲み物・ドレッシング・調味料に糖質が多い
  • 朝食を抜いて、昼と夜にまとめて食べている
  • 果物やナッツを「体によいから」と時間を決めずに食べ続けている
  • 食事は頑張っているのに、のどの渇き・体重減少・強い疲れなどの症状がある

また、腎臓の働きが低下している方では、野菜や果物を増やす際にカリウムの調整が必要になる場合があります。健診で腎機能の指摘を受けたことがある方は、カリウムが多い食べ物|増やす人と控える人の違いを確認したうえで、自己判断で増やす前に主治医に相談してください。血糖の高い状態が続いている方は足のトラブルにも気づきにくくなるため、糖尿病のフットケア|毎日の足チェックで異変に気づくのように、毎日の観察を習慣にしておくと安心です。

受診を考えたいのは、健診でHbA1cや血糖値を指摘されたとき、食事を見直しても数値が動かないとき、のどの渇き・体重減少・強い疲れなどの変化があるときです。当院は東京都渋谷区初台1-37-4にあり、京王新線「初台駅」南口より徒歩1分です。日本糖尿病学会の糖尿病専門医である院長が、院内でのHbA1c・血糖値の迅速検査の結果を見ながら食事の見直しについてご相談に応じています(金曜日は非常勤医師が対応します)。土曜日も9:00〜14:00に診療しており、受付終了時間は診療終了時間と同じですので、平日に時間が取りにくい方もご利用いただけます。診療対象は15歳以上(高校生以上)です。体重が気になる方には肥満症外来を設けており、BMI25以上の方を対象に診察し、BMI23以上25未満の方のご相談も受けています。

初めての受診では、マイナ保険証または資格確認書をお持ちください。健診の結果票やお薬手帳、他の医療機関での検査結果があれば一緒にご提出いただくと、これまでの数値の動きを踏まえて話が進めやすくなります。デジスマ診療によるWeb予約とWeb問診を導入しており、事前に済ませておくと来院後の待ち時間を減らせます。ご予約・お問い合わせは 03-5333-2727 へ。診療時間や休診日は変わることがあるため、受診前に公式サイトでご確認いただくと安心です。

HbA1cは、今日の一食で決まる数値ではなく、この1〜2か月の積み重ねが映る数値です。飲み物を変える、野菜を先に食べる、朝食に一品足す——そのうち一つでも今日から始められれば、次の採血のときに見る景色は変わってきます。

HbA1cが下がるまでにどれくらいかかりますか?
HbA1cは過去1〜2か月ほどの血糖の状態を反映する指標とされています(日本糖尿病学会『糖尿病治療ガイド2024-2025』)。そのため、食事を見直しても数値の変化が見えるまでには1〜2か月程度かかることが一般的です。数日や1週間で判断せず、次の受診まで続けてから振り返るほうが、どの工夫が合っていたかを見極めやすくなります。
食事を変えれば薬はいらなくなりますか?
食事や運動でHbA1cが改善する方もいますが、薬を減らせるかどうかは血糖の状態、合併症の有無、これまでの経過によって異なり、一律には言えません。自己判断で薬を中断すると血糖が大きく乱れる危険があるため、必ず主治医と相談しながら調整してください。食事は治療を支える土台と考えると続けやすくなります。
ごはんやパンは食べてはいけませんか?
主食を完全にやめる必要はありません。量を意識したうえで、玄米や雑穀米、もち麦入りごはん、全粒粉パンなどに置き換え、野菜やおかずを先に食べると血糖の上がり方をゆるやかにしやすくなります。極端に抜くと反動で食べ過ぎやすいため、続けられる範囲で調整することが大切です。
外食や飲み会が多くても続けられますか?
続けられます。外食では単品より定食を選び、野菜の一品を足す、揚げ物と締めの主食を重ねない、甘い割り材を避けるといった工夫が有効です。飲み会の翌日から数日は軽めに戻すなど、1日ではなく1週間単位で帳尻を合わせる考え方にすると負担が減ります。薬を使っている方は、飲酒時の低血糖について主治医に確認しておくと安心です。
どのタイミングで受診すればよいですか?
健診でHbA1cや血糖値を指摘されたとき、のどの渇き・体重減少・強い疲れなどの症状があるとき、食事を見直しても数値が下がらないときが受診の目安です。東京都渋谷区初台の初台まちのクリニックでは、糖尿病専門医の院長が院内での迅速検査の結果を見ながら食事の相談に対応しており、管理栄養士による栄養相談も完全予約制で行っています。気になる段階で早めに相談すると、選べる対策が広がります。

院長 富田恭子

この記事の監修

富田 恭子初台まちのクリニック 院長/日本糖尿病学会 糖尿病専門医

経歴

  • 2008年 福岡大学医学部医学科 卒業
  • 鳥取大学医学部附属病院、山陰労災病院、上尾中央総合病院、総合健診センターヘルチェック 勤務

資格・所属学会

  • 日本糖尿病学会 糖尿病専門医
  • 日本内科学会 内科認定医
  • 日本医師会認定産業医/認知症サポート医
  • 抗加齢医学会 会員/日本フットケア・足病医学会 会員

糖尿病は初期に自覚症状が乏しく、放置すると合併症につながることがあります。糖尿病専門医として、将来の合併症を見据えながら「今できること」を一人ひとりと一緒に考え、継続して治療を進めます。

院長紹介をくわしく見る