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カリウムが多い食べ物、増やす人と控える人の分かれ目

カリウムは「増やす栄養素」でも「控える栄養素」でもあります

「カリウムが多い食べ物」と検索される方には、大きく分けて二通りの事情があります。ひとつは、血圧が高めで「野菜や果物を増やしましょう」と言われた方。もうひとつは、健診で腎機能の項目を指摘されて「カリウムを控えたほうがいいのでは」と心配になった方です。同じ栄養素なのに、目指す方向が正反対になるのがカリウムのややこしいところです。

カリウムはミネラルの一種で、体の水分バランスや神経・筋肉のはたらきに関わっています。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、カリウムは生活習慣病の発症予防を目的とした目標量が設定されている栄養素で、多くの日本人にとっては不足しがちな側面があるとされています。一方で、腎臓のはたらきが落ちてくるとカリウムを尿へ捨てる力が弱まるため、同じ食べ方が体に負担になることがあります。

この記事では、まずカリウムが多い食べ物を整理し、そのうえで「増やしたい人」「控える必要がある人」の分かれ目をどう考えるかをまとめます。あわせて、摂りすぎ・不足で体に何が起きるか、健診で腎機能を指摘されたときの順番もご紹介します。ご自身がどちら側なのかを判断する材料にしていただければと思います。

先に、自分がどちら側かの目安

状況 向かう方向 最初にすること
血圧が高め・塩分が多めで、腎機能の指摘はない 増やす側 野菜・海藻・きのこから増やす
健診でeGFRや尿蛋白を指摘された まだ決めない 再検査で状態を確かめる
腎臓の病気で通院中、血清カリウムを指摘されたことがある 控える側 主治医の指示に沿う
血圧や心臓の薬を飲んでいる 薬による お薬手帳を持って相談する
糖尿病で通院中 両方が関わる 検査値をもとに個別に調整する

カリウムが多い食べ物の一覧

カリウムが多い食べ物を7つのグループに分けた分類図
カリウムが多い食べ物を7つのグループに分けた分類図

カリウムは、加工されていない食材ほど多く含まれる傾向があります。文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を参照すると、次のようなグループに多く含まれています。具体的な含有量の数値は食品や部位、調理法によって幅があるため、ここでは「どのグループに多いか」という形でご紹介します。

グループ 代表的な食べ物 覚え方のポイント
いも類 さつまいも、里いも、じゃがいも、山いも 主食代わりに食べると量がまとまりやすい
豆類・大豆製品 大豆、小豆、いんげん豆、納豆、きな粉 乾物は水分が抜けている分、少量でも量が入る
果物 バナナ、メロン、キウイ、アボカド、干し柿・レーズンなどのドライフルーツ 生果物より乾燥させたものに多く集まる
野菜 ほうれん草、小松菜、かぼちゃ、たけのこ、切り干し大根、トマト 青菜と根菜、乾物野菜が中心
海藻・きのこ ひじき、昆布、わかめ、干ししいたけ 乾物のまま食べる形だと多くなる
魚介・肉 かつお、まぐろ、さわら、豚ヒレ、鶏むね たんぱく質食品にもまとまって含まれる
飲み物・その他 野菜ジュース、果汁100%ジュース、牛乳、コーヒー、ナッツ類、黒糖 「飲みもの」は意識から抜けやすい

ここで見落とされやすいのが、最後の行です。食事の内容だけを気にして、ジュースや牛乳、コーヒーといった飲み物を勘定に入れていない方は少なくありません。飲み物は毎日ほぼ同じ量を続けやすいので、増やしたい方にも控えたい方にも効いてくる部分です。野菜ジュースの選び方については野菜ジュースで血糖値が気になる人へ、果汁の有無とラベルの見方で、表示の読み方をまとめています。

肉や魚にも含まれているという点

「カリウム=野菜と果物」というイメージが強いのですが、実際には肉や魚にもまとまって含まれています。腎臓の状態によってカリウムを控える必要が出たとき、野菜と果物だけを我慢して肉や魚をそのまま食べ続けると、思ったほど下がらないことがあります。逆に、増やしたい方が野菜だけを頑張らなくても、主菜からも入ってくると知っておくと気が楽になります。

同じ食材でも「乾かす」「ゆでる」で量は動きます

カリウムは水に溶けやすく、熱では壊れません。つまり、含有量が動く理由は「水分がどこへ行ったか」でほぼ説明がつきます。水分が抜けて乾いたものは同じ重さあたりで濃くなり、ゆでて汁に溶け出したものは薄くなる、という関係です。

食材の状態 カリウムの入り方 具体例
乾物・ドライ 水分が抜けた分だけ濃く集まる 切り干し大根、干し柿、レーズン、きな粉、昆布
生のまま そのまま口に入る サラダ、果物、刺身
蒸す・電子レンジ 水に触れないので残りやすい 蒸しさつまいも、レンジ加熱の青菜
ゆでて汁ごと 汁に移った分も一緒に口に入る 味噌汁、スープ、鍋の締め
ゆでて汁を捨てる 汁に移った分は減る ゆでこぼしたいも、ゆでてしぼった青菜

この表は、増やしたい方には「上・中段に寄せる」、控えたい方には「下段に寄せる」という読み方ができます。同じ食材リストを、調理の段階で振り分けていくイメージです。

「カリウムが多い食事」になりやすいのはどんな一日か

食材単位ではなく、一日の食事の流れで見るとイメージしやすくなります。カリウムが多い食事とは、特別な献立のことではなく、次のような場面が重なった一日を指します。

場面 よくある形 カリウムが集まりやすいところ
朝 トースト、コーヒー、バナナ、牛乳 果物と飲み物が同時に入る
昼 定食、丼もの、コンビニの組み合わせ 主菜の肉・魚、いもや青菜の小鉢
夕 鍋、煮物、汁物のある献立 汁ごと食べるか残すかで差が出る
間食 ナッツ、ドライフルーツ、和菓子の小豆 乾いたもの、豆を使ったもの
飲み物 野菜ジュース、果汁100%、青汁、スポーツドリンク 毎日同じ量が続きやすい

逆に、菓子パン・麺類・揚げ物中心で、野菜も汁物も果物もほとんど登場しない一日は、カリウムが入りにくい食事です。塩分は多いのにカリウムは少ない、という組み合わせになりやすいのもこの型です。ご自身の平日を思い浮かべて、どちらに近いかを見てみてください。外食が続く方の組み立て方は糖尿病の外食、選び方と食べる順番|飲み会の乗り切り方もあわせてご覧ください。

カリウムを増やしたほうがよい人

血圧が高め、あるいは塩分の摂り過ぎを指摘されている方は、カリウムを意識して摂る側になります。日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」では、高血圧の生活習慣修正項目のひとつとして、野菜・果物の積極的な摂取が挙げられています。ただし同ガイドラインでは、腎障害のある方は高カリウム血症をきたす恐れがあるため野菜・果物の積極的摂取を推奨しない、糖尿病などでカロリー制限が必要な方は果物の摂り過ぎに注意する、という但し書きが明記されています。

つまり「野菜と果物を増やしましょう」というアドバイスは、腎臓に問題がないことと、エネルギー量の管理ができていることが前提になっています。糖尿病で通院されている方が、血圧のためにと果物を一日に何度も食べるようになり、血糖の管理が難しくなる、というのは実際にありうる流れです。増やすなら、まずは果物より野菜・海藻・きのこから、と考えると無理がありません。

増やしたい場合の実践のコツ

カリウムは水に溶けやすい性質があります。ゆでこぼしたり、長く水にさらしたりすると、その分だけ煮汁のほうへ移っていきます。増やしたい方は、次のような形が向いています。

  • スープや味噌汁にして、汁ごといただく(塩分が増えすぎないよう、だしを効かせて薄味にする)
  • 生のまま食べられる野菜はサラダや和え物にする
  • 電子レンジ加熱や蒸し料理を使い、ゆで汁を捨てない調理にする
  • いも類を主食の一部として取り入れる
  • 主菜を大豆製品に置き換える日をつくる

忙しくて生野菜を切る余裕がない、という方には冷凍野菜も現実的な選択肢です。使い方については冷凍野菜って栄養はあるの?おいしく上手に活用するコツでまとめていますので、あわせてご覧ください。大豆製品の選び分けは大豆の効果と、血糖が気になる人の豆腐・納豆・豆乳の選び分け、トマトの扱い方はトマトの栄養と効果、血糖が気になる人の生・加熱・缶詰の選び方で触れています。

カリウムだけでなく、塩分とセットで考える

カリウムを話題にするとき、塩分(ナトリウム)と切り離して考えると片手落ちになります。カリウムを増やす取り組みは、塩分を減らす取り組みと組み合わせて行うのが基本です。汁物を増やしてカリウムを足したつもりが、塩分も一緒に増えていた、という形は避けたいところです。だしや酸味、香辛料、香味野菜を使って、味付けの塩分を控えめにしながら具を増やす。この順番で考えると、片方だけが増える事態になりにくくなります。

また、野菜や海藻・きのこを増やすと食物繊維も一緒に入ってきます。こちらの整理は食物繊維が多い食べ物、血糖と便通で選び方が変わりますにまとめています。

カリウムを控えたほうがよい人

一方で、カリウムを制限する必要が出てくるのは、主に腎臓のはたらきが低下している場合です。日本腎臓学会「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」では、慢性腎臓病(CKD)のステージが進んだ方に対して、血清カリウム値を管理するための食事性カリウム制限が示されています。制限が必要かどうか、どの程度かは、腎機能の段階と血液検査の結果によって変わりますので、自己判断ではなく主治医の指示に沿うことが大切です。

また、腎機能そのものは大きく落ちていなくても、次のような場合にはカリウムが体にたまりやすくなることがあります。

  • 血圧や心臓の薬の一部(ACE阻害薬、ARB、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、カリウム保持性利尿薬など)を使っている
  • 糖尿病があり、腎臓でのカリウム排泄に関わるホルモンのはたらきが低下している
  • 脱水や急な体調不良で、一時的に腎臓への血流が減っている

ご自身がどれに当てはまるかは、お薬手帳と直近の血液検査の結果を持って受診いただくのが確実です。「野菜ジュースを健康のために毎日飲んでいます」といったことは、こちらから尋ねないと出てこない情報でもありますので、遠慮なくお話しください。

控えたい場合の調理の工夫

制限が必要と言われた場合でも、野菜を一切食べないという話ではありません。カリウムが水に溶ける性質を利用して、量を減らす方法があります。

  • 小さめに切ってから、たっぷりの湯でゆでてゆで汁を捨てる(ゆでこぼし)
  • 切ったあと水にさらす
  • いも類は皮をむいて切ってから調理する
  • 汁物は具を中心にして、汁を残す
  • 果物は生より缶詰のシロップを切ったものを選ぶ
  • ジュース類、乾物、干した果物は量に注意する

ゆでこぼしはカリウム以外のビタミンなども一緒に減ってしまうため、すべての料理でやる必要はありません。どの食材に絞って行うかは、栄養相談で個別に整理していくのが現実的です。

見落としやすいのが「減塩しお」とサプリメント

控える側の方がとくに気づきにくいのが、減塩をうたった調味料です。減塩しおや減塩タイプの調味料には、食塩(塩化ナトリウム)の一部を塩化カリウムに置き換えた製品があります。塩分を減らすつもりで使っているのに、カリウムは増えている、という逆転が起こりえます。腎機能の低下を指摘されている方やカリウムの薬を使っている方は、購入前に原材料名の欄で「塩化カリウム」の表記があるかを確かめてください。

同じことが、青汁、野菜・果物系のサプリメント、健康食品、スポーツドリンク、経口補水液にも当てはまります。食品表示では原材料名と栄養成分表示の2か所を見る習慣をつけると、見落としが減ります。食品表示の読み方そのものについては「糖質」と「糖類」はどう違う?食品表示の見方で、表示のどこを見るかを解説しています。

摂りすぎ・不足で体に何が起きるか

カリウムは、多すぎても少なすぎても、神経と筋肉のはたらきに影響します。心臓の筋肉も筋肉ですので、極端に外れたときは脈の乱れとして表れることがあります。

起こりやすい状況 表れ方
多すぎる(高カリウム血症) 腎機能の低下、関連する薬の使用、脱水 初期は自覚症状が乏しい。進むと力が入らない、手足のしびれ、吐き気、脈の乱れ
少なすぎる(低カリウム血症) 下痢や嘔吐が続いたとき、利尿薬の使用、極端な食事制限 脱力感、筋力の低下、こむら返り、便秘、脈の乱れ

ここで知っておいていただきたいのは、高カリウム血症は「体に貯まっていく途中では気づきにくい」という点です。だからこそ、症状が出てから考えるのではなく、腎機能や薬の条件が当てはまる方は定期的な血液検査で確かめるという形になります。

一方で、体に力が入らない、手足のしびれが出て引かない、脈が飛ぶ・乱れる感じがする、吐き気が続く──こうした状態が出て、しばらく様子を見ても変わらないとき、あるいは悪化していくときは、早めに医療機関でご相談ください。とくに腎臓の病気で通院中の方、利尿薬や血圧の薬を使っている方、下痢や嘔吐が続いている方は、受診の判断を先延ばしにしないほうが安全です。

健診で腎機能を指摘されたら、どう考えるか

腎機能の指摘後にカリウムの摂り方を判断する手順の図
腎機能の指摘後にカリウムの摂り方を判断する手順の図

健診結果で見るべきなのは、クレアチニン、eGFR、尿蛋白の三つです。eGFRは腎臓が老廃物を捨てる力を推定した数値で、尿蛋白は腎臓のフィルターの傷み具合を映します。どちらか一方だけでは判断がつきにくく、両方をあわせて見ます。

ここで大事なのは、一度の結果だけで「腎臓が悪い」と決めつけないことです。脱水、激しい運動の直後、一時的な体調不良などでも数値は動きます。日本腎臓学会「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」におけるCKDの定義では、腎機能低下や尿異常などの所見が3か月以上続くことが条件とされています。ですから、指摘を受けたときにまずすべきなのは、食事を自己流で変えることではなく、再検査で状態を確かめることです。

実際、腎機能を指摘されたことをきっかけに、良かれと思って野菜ジュースや果物を大幅に増やしてしまう方がいらっしゃいます。血圧のためには理にかなった行動なのですが、腎機能によっては逆向きに働きます。順番としては「確かめる」が先、「変える」が後です。健診結果の読み方全般については健康診断の結果の見方|血糖・脂質・肝機能を読み解く、再検査の受け方については健康診断の再検査を放置するリスクと正しい受け方も参考になります。尿酸値を同時に指摘された方は尿酸値が高いと健診で出たら、再検査と受診の目安もご覧ください。

再検査のときに持っていくと話が早いもの

  • 今回の健診結果(過去のものがあれば一緒に)
  • お薬手帳(血圧・心臓・利尿薬の有無が要点になります)
  • 飲んでいるサプリメント・健康食品の現物か写真
  • ふだんの飲み物の種類と、だいたいの量

この四つが揃うと、「増やす側か控える側か」の話にすぐ入れます。逆に、これらが分からないまま食事の話だけを進めても、一般論の域を出ません。

糖尿病がある方はとくに両方に関わります

糖尿病は腎臓に影響が及びやすく、血圧の管理も同時に必要になることが多い病気です。つまり「血圧のためにカリウムを増やしたい」と「腎機能のためにカリウムを気にしたい」が、同じ人の中で同居しうるということです。この場合こそ、一般論ではなくご自身の検査値をもとにした調整が必要になります。血糖の数値の見方はHbA1cの基準値の読み方|数値ごとの受診目安がわかるにまとめています。

当院での相談の受け方

当院は糖尿病内科・一般内科を標榜しており、院長は日本糖尿病学会の糖尿病専門医です。院内にグリコヘモグロビン分析装置、自動血球計数CRP測定装置、小型尿分析装置、電極式電解質分析装置を備えており、電解質や尿の項目を院内で測定できます。血糖値・HbA1cは迅速検査に対応しています。

食事の組み立てについては、管理栄養士が在籍しており、院内の栄養相談室で栄養相談を行っています。完全予約制ですので、ご希望の方は受付スタッフへお申し出ください。「カリウムを増やすべきか控えるべきか」というご相談は、検査値と普段の食事内容の両方が揃ってはじめて具体的な話ができる領域です。お薬手帳と健診結果をお持ちいただけると話が早く進みます。

診療時間は月・木が9:00〜12:30と14:15〜18:15、水が8:20〜12:30と13:15〜15:00、金が9:00〜12:30と13:15〜17:30、土が9:00〜14:00です。火曜・日曜・祝日は休診で、受付終了時間は診療終了時間と同じです。なお金曜日は非常勤医師が対応します。デジスマ診療によるWeb予約・Web問診に対応しており、事前に済ませておくと来院後の待ち時間を減らせます。一般内科は女性医師が対応します。診療対象は15歳以上(高校生以上)の方です。所在地は渋谷区初台1-37-4 光山ビル1F、京王新線「初台駅」南口より徒歩1分です。

まとめ:まず自分がどちら側かを確かめる

カリウムが多い食べ物は、いも類、豆類、果物、青菜や根菜、海藻・きのこ、そして肉・魚と飲み物です。この一覧そのものは、増やしたい方にも控えたい方にも共通します。違うのは、それをどう扱うかだけです。

血圧が高めで腎機能に問題がなければ、汁ごと食べる調理でカリウムを活かす方向へ。腎機能の低下や関連するお薬がある場合は、ゆでこぼしや水さらしで量を調整し、減塩しおやサプリメントの原材料名も確かめる方向へ。そして、どちらか分からないという方は、まず腎機能と電解質の検査結果を確かめることが最初の一歩になります。食べ物の一覧を眺めるより、ご自身の数字を一枚持っているほうが、迷いはずっと少なくなります。

バナナはカリウムが多いと聞きますが、毎日食べても大丈夫ですか
腎臓のはたらきに問題がなく、血糖やエネルギー量の管理にも支障がなければ、果物を日常的に取り入れること自体は問題になりにくいと考えられます。ただし日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」では、腎障害のある方には野菜・果物の積極的摂取を推奨せず、糖尿病などでカロリー制限が必要な方は果物の摂り過ぎに注意するとされています。腎機能を指摘されたことがある方や糖尿病で通院中の方は、自己判断で毎日の習慣にせず、主治医にご相談ください。
カリウムが不足すると、どんな不調が起きますか
カリウムは神経や筋肉のはたらきに関わるミネラルのため、著しく不足すると脱力感、筋力の低下、便秘、不整脈などが起こることがあります。ただし通常の食生活で極端な不足に至ることは多くなく、下痢や嘔吐が続いたとき、利尿薬を使用しているときなどに起こりやすいとされています。自己判断でサプリメントを足すのではなく、症状が続く場合は血液検査で電解質を確認するのが確実です。
ゆでこぼすと、カリウムはどのくらい減らせますか
カリウムは水に溶けやすい性質があるため、小さく切って多めの湯でゆで、ゆで汁を捨てることで含有量を減らせます。減り方は食材の種類、切り方の大きさ、水の量、加熱時間によって幅があるため、一律の割合としてお伝えできるものではありません。また、ゆでこぼしはビタミンなど他の栄養素も一緒に減らすため、すべての料理に行う必要はなく、どの食材に絞るかを管理栄養士と決めていくのが現実的です。
減塩しおや減塩調味料は、誰が使っても問題ありませんか
減塩をうたった調味料には、食塩(塩化ナトリウム)の一部を塩化カリウムに置き換えた製品があります。塩分を控える目的には合っていても、カリウムを制限する必要がある方にとっては逆向きに働くことがあります。腎機能の低下を指摘されている方、カリウムが上がりやすい薬を使っている方は、購入前に原材料名の欄に「塩化カリウム」の表記があるかを確かめ、使ってよいかを主治医に確認してください。青汁やスポーツドリンク、健康食品も同じ見方で確かめられます。
健診でeGFRが低いと言われました。すぐにカリウム制限を始めるべきですか
一度の結果だけで食事制限を始める必要はありません。eGFRは脱水や一時的な体調の変化でも動くことがあり、日本腎臓学会「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」の慢性腎臓病の定義では所見が3か月以上続くことが条件とされています。まずは再検査で状態を確かめ、血清カリウム値や尿蛋白の有無、服用中のお薬を含めて評価したうえで、制限が必要かどうかを判断します。自己流で野菜や果物を極端に減らすことも、逆に増やすことも避けてください。

院長 富田恭子

この記事の監修

富田 恭子初台まちのクリニック 院長/日本糖尿病学会 糖尿病専門医

経歴

  • 2008年 福岡大学医学部医学科 卒業
  • 鳥取大学医学部附属病院、山陰労災病院、上尾中央総合病院、総合健診センターヘルチェック 勤務

資格・所属学会

  • 日本糖尿病学会 糖尿病専門医
  • 日本内科学会 内科認定医
  • 日本医師会認定産業医/認知症サポート医
  • 抗加齢医学会 会員/日本フットケア・足病医学会 会員

糖尿病は初期に自覚症状が乏しく、放置すると合併症につながることがあります。糖尿病専門医として、将来の合併症を見据えながら「今できること」を一人ひとりと一緒に考え、継続して治療を進めます。

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